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リサコラム
連載164回
本日のオードブル
華麗なる贋作人生 第3回


土瓶・シューマイの世界


木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
道楽は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
18年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒は強くない。
好きな作家は夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、F・サガン、マルセル・プルースト
      
 「なんで、7週間もはやく配達しなくちゃならないんだ!」
   「今日がまたとないチャンスの日なのよ。
        おっと、見つけたわ、わたしの希望の星!!
                                 
 
      
  






土瓶・シューマイの世界





 最近読んだ本の中で、こんなような言葉に出会いました。

 「『人は人生最期の瞬間に、そうか、人生とはこういうことだったのかと、すべて

の謎が解けるように、わかるのだ』と。きっとそうかも知れません。しかし、あなた

が100年生きるとして、その瞬間が訪れる100年目までじっとそれを待ち続け

ますか?人は日々豊かに楽しく、そして何かの使命を感じながら生きています。

ならば1分1秒でも早くその人生の謎を知りたいと私は思います」。



 はじめまして、いきなりメンター然として失礼いたしました。わたくし、“土瓶・シュ

ーマイ”と申します。土瓶とシューマイに何の意味があるのかとお思いでしょう。土

瓶とは、お茶を注ぐティポットです。シューマイはシュウマイです。何の意味もあり

ません。さよう、わたくし“ドビン・シューマイ”は世界的に著名なメンターとして多く

の支持を集め、その独自の成功哲学で不動の位置を占めている人であり、多く

のトップビジネスマン、企業のCEO(最高経営責任者)がリーダーと仰ぐ人、

ロビン・シャーマの非公認弟子の一人と自認するものです。つまり本日は、わが

師ロビンの思想を真似て、気品あるロビンの口調にて、拙い贋作文章を書いて

みようなどといういやらしくも崇高な境地に達しておるのです。ドビン・シューマイ

はロビン・シャーマの世界を若干、庶民仕様にしてご覧に入れます。批判はもち

ろんございましょう。それもどうか、個人の意見として、お聞きくださいますことを。



 「ロビン・シャーマその人は日本ではご存知、『3週間続ければ一生が変わる』

という、大ベストセラーの著者として有名です。part1,2、共に何度読み返して

もすばらしい本です。読むたびに、赤鉛筆で真っ赤になります。すべての行と行

間から、わくわくするすばらしい未来が飛び出してくるように感じます。簡潔な文

章に嫌味はなく、批判さえ愛情が込められた言葉でつづられています。読めば、

ロビンを通して過去の偉大なる人物たちの気品ある精神が雨あられのごとくあな

たに降り注ぎ、あなたは未来を嘱望された偉大なひとりであることを知らしめられ

ます。そして通勤途中で出会う木々に偉大な力を見出し、見慣れた上司、同

僚、パートナーの顔が天使のような顔に、あなたの子供は神童に見えてくること

でしょう。そう、彼は2人のかわいい子供のよき父親でもあり、素晴らしき伝道者

なのでございます。ぜひ、その本を持って休日、ひとり、サービス料のつく人気の

あるレストランのランチに出かけてみてください。あなたはレストランのスタッフに愛

情のこもった気品あるすばらしい言葉を発している自分に気づくことでしょう。

きっとそれから常連のような待遇を受けることになるでしょう。帰り道であなたは

これからの人生で成功を収め、幸せに暮らせることがこのように簡単なことなの

かと気づきます。そんなことはありえないと批判する人もいるでしょう。しかし、些

細なことのなかに真なる事実はあります。



 水曜の深夜、私はちょっと変わったNHKのドキュメンタリー番組を見ています。

主に20代の若者が数人登場します。主役の一人が自分の悩みを打ち明け、

見知らぬ者同士がケイタイやパソコンのチャットを通して自由に意見を言い合うも

のです。その日は23歳の若いエリートサラリーマンが主役でした。彼は一流大学

を出て、大企業に就職し、将来を嘱望されていました。彼はこれまで親や回りの

人たちの期待に答えようと生きて来たけれど、そこに自分という主体性はあった

だろうか、本当にこれでいいのだろうかと漠然とした不安を投げかけていました。

今の世の中ではとても贅沢な不安です。すぐに、29歳の無職の男性が反応しま

した。彼はこれからバイトの面接に行くところのようでした。『もしも今、自分に好き

な女性がいて、その女性に告白したらきっとふられるに決まっている。しかし君

は23歳で一流大学を出て就職し、将来も期待されている。女性はどちらを選

ぶか、決まっているだろう』と。彼は、ラフな格好をして背景にはきちんとはしてい

ない部屋が写っていました。彼は、失業中の身で、今の世情を反映した若者の

ひとりだと思います。その彼は千載一遇の大きなチャンスを逃しているとわたしは

思いました。彼がケイタイを持っているということは、今日明日の食べ物に困って

いるわけではないようです。ならばその時だけでも部屋をきれいに掃除し整え、

安物でもアイロンのかかったおしゃれなシャツを着て、椅子に腰掛け、まっすぐに

カメラ目線で話をしたら、テレビの前の人びとはどう感じたでしょう。その状況下で

は話す内容もきっと変わったことでしょう。もしも、「自分は今、仕事がなくて職を

探しているけれど、君の不安な気持ちも分かるよ。でも人間に不安がなくなった

ら、おしまいだからね」、と彼が言ったら、どうなっていたでしょうか。無職の彼は

テレビの前にすぐれた企業の経営者がいることを、人事担当者がいることを忘れ

ているのです。スタジオのなかで、街頭インタビューのカメラの前で自分をアピー

ルできるまたとないチャンスがきているのにそれに気づかない人が多すぎます。



 また以前、シングルマザーの現状をリポートしたNHKの番組もありました。止む

に止まれぬ事情で離婚した彼女は3人の子供を抱えて、パートタイムの仕事を

掛け持ちしていました。しかし、もっと安定した職を得ようと、休日、資格を取るた

めに往復6時間かけてセミナーに通っていました。その番組はシングルマザーの

声を通して、公的な援助の必要性を求めるものでした。彼女が夜遅く帰宅する

とテレビの前に中学生らしき子供が寝そべってテレビを見ています。あたりにはイ

ンスタント食品の食べガラが転がっています。彼女は雑然として汚い台所に立つ

と洗い物を始めました。もしあなたが人事担当者なら、彼女を採用するでしょう

か?公的な援助を受けられる制度が整う迄、長い時間がかかります。その番組

からすでに2年が経過しました。でももし、清潔に整った台所で、帰宅する母親

のために子どもたちが簡単な食事のしたくをして待っている場面が写れば、テレ

ビの向こうの採用担当者はどう判断するでしょうか。あるいは、すばらしい結婚相

手が見つかったかも知れません。不憫に思って手を差し伸べる人がたくさん出

て来たはずです。しかしそこには、悲惨すぎる現状を正しく改善する気持ちが伝

わってきませんでした。常にそうではなくても、テレビに映るその日は完璧に美しく

掃除の行き届いた部屋でインタビューを受ければ、この人には大きなチャンスが

めぐってくるのに、と思うことがたびたびあります。



 多くの人は苦労と努力をごちゃ混ぜにしてとらえています。それはまったく違う

ベクトルを持った力です。時によいホテルの感動的なサービスに出会うことがあり

ます。その完璧な接客に、非の打ち所のない清潔な部屋に誰もが五感すべて

で心地よいと感じることがあります。その感動をまた味わうために、また来たいと

感じ、その時にこの感動と同じ感動を期待します。期待を裏切らない感動をた

びたび味わううちに、こんな職場で働く人は幸せだろうと感じます。しかし、清潔

で心地よい環境を維持管理しつづけている人たちのたゆみない血の出るような

努力に目をやる人は少ないのです。なのに、先の男女のような苦しい現状を見

るとわたしたちは彼らの苦労に悲しいまなざしを向け、しかし無力感から手を差

し伸べる気にはなれません。



 わたしたちが“努力”を続けることによってなくなるものが“苦労”というものだと

思います。だから、努力を続けないことによって“苦労”は外にまで漏れ出てきて

しまうのだと思います」。





p.s.1

 「偉大な人物は、批判者たちが投げた石でモニュメントを建てる」

ロビンに教わった多くの感動する言葉の一つです。


            


p.s.2

 今日から新たな習慣を始めたら、続ける目標は3日、3週間、3年だそうです。


             


p.s.3

 1日の時間割は今日から新たに見直しすることにしました。


            

p.s.4

 毎日2人に手紙を書くことも習慣にします。


                                    Risaco





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