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リサコラム
本日のオードブル
第5回
 
鉄板焼き屋でサランラップを
   注文する

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに1990年より勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
趣味は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
15年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。好きな作家は、夏目漱石、檀ふみ、中谷彰宏、F.サガン

 


「鉄板焼き屋でサランラップを注文する」


                    

家ではベジタリアンの私は、外でも焼肉は食べませんが、友人と鉄板焼

きのお店に食事に行く時は、野菜やきのこ、魚介類はいただきます。ホテ

ルの最上階あたりにあるような、マンツーマンで好みのものを焼いてくれる

高級な鉄板焼きのお店ではありません。
ビールやワインと一緒に話が盛り

上がると、〆はご飯とおいしいお漬物、お味噌汁です。それが運ばれてき

た瞬間、「すみません。サランラップ、いえ、クレラップでも、いただけませ

んか?」と、私は即座に要求を出します。
一体何を包んで持ち帰るの?

一瞬戸惑ったお店の若いスタッフは、すぐにラップを持ってきてくれます。

そのラップを20cmくらいに切ったら、お茶碗の半分をその上に乗せて、

おにぎりを握ります。そしてたれをつけ、鉄板で返しながら焼きおにぎりを

作るのです。友人のお茶碗も同じことをしてあげます。好みで残った具を

入れたり、お漬物を入れたり。香ばしいにおいが立ち込め、歓声があがる

と、又も、「ラップください」をやってあげようという気になります。



ランチタイムに私がよく行く小さいレストランでは、日替わりランチが決まっ

ていました。月曜日はカルボナーラ、火曜日はえびとベーコンのトマトソ

ース。水曜日はほうれん草とサーモンのクリームソース。そんな具合。

しかし、私はその通りに注文したことはありません。
火曜日なのに、金曜

日のきのこのしょうゆ味を注文したりします。いつも火曜日にしか行けない

ところだったら、いつも同じメニューのパスタを食べなくてはならないからで

す。
そのうちに、何曜日でも関係なく選べるようになりました。それでも飽

きてくると、適当な具の組み合わせを注文するようになりました。メニュー

にない、きのことほうれん草のトマトソース、えびときのこのしょうゆ味など

です。さらに細かく注文をつけます。「茹で加減はアルデンテよりちょっと

やわらかめ。トマトソースは2分の1。お皿は平たいのではなく、ボールで。

粉チーズもお願いします。」でもお店の人はいやな顔ひとつせず、まるでメ

ニューに書いてあったかのごとく、注文の確認をしてくれます。そしてキッ

チンにオーダーを簡単に伝えると、最後に「ボールで。」と付け加えます。

すると、アルデンテより少しやわらかめ。トマトソースは少なめで、粉チーズ

がのったパスタが運ばれてくるという仕組みです。そこまで細かく注文する

人がいないのか、「ボールで。」の一言で、湯で加減と、ソース量が伝わ

るようです。



もう、5年以上もお付き合いをしていただいている、私の顧客のお母様は

とてもユニークな方なのですが、よく行くお魚屋さんでお肉が注文できる

そうです。黙っていても、コーヒーが出てくるそうなのです。行きつけのお

店だったら、少々の無理も言えるということです。私は、ホテルに予約を

入れるときは、前もって注文をつけます。「冷蔵庫は空にして、ベッドスプ

レッドはかけず、デスクの上には何も置かず、先日は羽毛布団のにおいが

していて、嫌だったから、クリーニングしたものにしてください。などなど。」

すると、「ほかにはありませんか?」と聞いてきます。そう聞いてくるホテル

に泊まることにしています。だから、必然的に、泊まりたいホテルは、その

場所で、1軒か2軒に絞られてきます。一度、新しいホテルに予約をれて

チェックイン前に荷物だけ預けようと思い、フロントの方に歩み寄ったら、

そこにいたフロントの女性は、私が口を開く前から、「チェックインは2時か

らです。」と一言。その一言で、次からは絶対泊まらないという決心がで

きました。



マダム・ワトソンにはベビー用品から、バッグ、下着、羽毛ふとん、オーダ

ーカーテンまでさまざまなものがあります。そのせいか、いろんな方からい

ろんな注文が来ます。
「直径20cmで高さ35cmの白いゴミ箱を探して

欲しい。」とか、「ベランダ用の黒い下駄を50足急ぎで。」「サイズが、80

cmで長さ170cmの昼寝用のベッドパッドを至急作って。」「羽毛ふとん

をリフォームして、残りをクッションにして。」「ベッドスプレッドをカーテンに

作り変えて、残りをクッションカバーにして。」「体重100kgでもへたらな

い、1mの円形の大きな丸いクッションを作って。」「マダム・ワトソンと同じ

においのする部屋にして。」「カーテンの生地で洋服カバーに、コスメケー

スを作る。」「パジャマのズボンを短くして、残りでかわいいレースつきのパ

ジャマケースを。」「私の本にサインをして、バースデイメッセージとイラスト

をつけて、石鹸と一緒にラッピングして送ってちょうだい。」「この近くに、 

おいしいフレンチレストランはないかしら?」「あっさりしたものが食べたいけ

ど、和食のお店で、個室のあるところ。」「お勧めの美容室を教えて。」  

「今月バンコクに行くけど、どこのホテルがいい?」そのくらいの細かな注

文は、日常茶飯事です。だから、オーダーストップの時間、定休日も頭に

入れておかなくてはなりません。種子島にお住まいの常連のお客様から

コンサートの予約をして欲しいと頼まれたこともありました。        

私たち販売員は、デザイナーであり、ホテルのコンシエルジュです。私も

外でたくさんの特別注文をするので、そのくらいの注文は、快く受け入れ

るられるように日々努力をしています。


ある時、大きなかぼちゃと一緒に手も切ってしまい、急いで行きつけのお

医者さんのところに行ったら、そのお医者さんは、「次からは、かぼちゃを

洗ったら、レンジでチンしてやわらかくしてから切るんだよ。」と、75歳のこ

の年になって教えられたとおっしゃった女性のお客様がいました。    

行きつけのお医者さん、美容室、レストラン、ホテル、洋服やさん、インテ

リアショップ。自分の好みを快く聞いてくれる、そして、範囲を超えたアドバ

イスをしてくれるのは、”真の常連”になることでしょう。そうすれば、鉄板

焼き屋さんで「ラップをください」というわがままも言ってみるのもいいこと

でしょう。そのくらいを聞いてくれなかったら、次から行かなければいいこと

です。 すると、反対にわがままと思える注文や依頼が自分に来たときに

「それは規則にないからできません。」と頭ごなしに言えなくなります。無

理を言う相手に腹が立たなくなります。寛容な態度で、「他にはありませ

んか?」と、切り返す余裕ができます。
少し無理な注文でもそれによって

自分自身も勉強になったり、新しい経験ができるからです。


常連になれば、魚屋さんでコーヒーが飲めたり、お肉が注文できるのなら

ほんとうに自分に必要なお店や場所は、そんなにたくさんはいらないよう

な気がします。




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 お名前と、お差し支えなければ、ご住所も書き添えてくださいね。ご返事いたします。

また、来週の金曜日にお会いしましょう。

木村里紗子 Risaco

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