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リサコラム
本日のオードブル
第24回

 すばらしき人生


木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに1990年より勤務し、400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
趣味は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
15年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。好きな作家は、夏目漱石、檀ふみ、中谷彰宏、F.サガン



 「僕は、ブランドとお菓子で知らないお店はないんです」
  
  「10年、いや20年に、1人かな?すばらしいよ、K君!」
                

 

       



すばらしき人生



  “I like your smi~le!”朝のミーティングの初めに、そういきなり言われ

た私は、「あ、ありがとうございます」と日本語で答えてしまいました。ハウスメー

カーの季刊誌に載った私の顔写真を見て思わず英語でそう言った彼女は、有

名国立大卒で、TOEIC950点というすばらしい成績、そして現在専門学校で

英語講師をするかたわら、ショップで一緒に働くスタッフです。

 「感情表現は、英語のほうが楽なんですよね。だから思わず、英語で言っち

ゃうんです..」訳すれば、“あなたの笑顔が好きです”ではなく、“素敵な笑顔

ね!”って感じ。そんなネイティブ同様の彼女にかかれば、“シィンポゥ、エーン

デゥ、ラグジュゥリー”とすばらしく素敵な洋書スタイルに変身してしまうから、

「いったい、誰の本のことなのですか?」と私は自分の書いた本の題名を聞き

返すことになってしまいます。



 また先日、「何かテーマを考えてください」と言う、インテリア雑誌編集者のO

さんに対して、「“ウエディングスタイル”、っていうのはどうですか?ウエディン

グドレスや披露宴、新婚旅行に行く費用の半分でも寝室に振り分けてもらえば

一生そんな素敵な寝室で眠れるんですよ、っていうコンセプトです」。と電話で

簡単に伝えた私に対して、Oさんは「すばらしい!」の一言。それでテーマは瞬

時に決定。そして私は、この方とは楽しくやれると感じた瞬間です。そして先ほ

どの季刊誌を作っているエージェントのTさんは「木村さんの考え方のすばらし

さを伝えられれば、と思って作りました。」この方も優しく、率直で、すばらしい方

です。


 つまり、本日のお題は“すばらしい”という褒め言葉なのです。ここまで、5回

“すばらしい”という言葉を使いました。この表現は、すごい!素敵!と感動

の極みに達した時に使う表現として、日常生活ではほとんど使わない方も多い

と思います。でも、私の日常はスタッフ間、お客様との会話、メールのやり取り

で、まさにあふれるほど使う、日常語なのです。                 



 リサコラムの読者の方から、先日こんな言葉を戴きました。「“リサコラムは、

精神のセンス”だと感じました。それが、美しいコーディネートを生み、お客様に

愛され、よいお仕事に繋がってゆくような」と。私にとっては、恥ずかしくなるほ

どすばらしい最高の賛辞です。それと同時に、この方の精神は感性にあふれ

人を楽しませたり、喜ばせたりすることを日々されておられるのだとわかりました

そして又、「今まで、私は、掃除が大嫌いで、そのくせ外見だけは気を遣う、そ

んな、うすっぺらい人間でした。でも木村さんの本に出会って、掃除が大好き

になりました。...あなたは、私の師匠ですから」こんなすばらしい言葉も戴い

たことがあります。でも、本当に“うすっぺらい”人間だったら、自分を“うすっぺ

らい”とは表現できないでしょう。その反対だから、そんな痛烈な批判を自分に

向けられるのだと思います。そして、そんなすばらしい方が私を師匠と言われ

るのなら、私も彼女のことを師匠だと思いました。そしてずっとお付き合いしたい

と思った言葉でした。”師匠”と相手を仰ぐ表現や、”精神のセンス”なんていう

美しい感性あふれる言葉を戴いたら、それを今度は自分が誰か他の人を喜

ばすために使うことができます。でも、そんなオリジナルな褒め言葉ががとっさ

に自分の口から出てこなかったら、率直に”すばらしい”といえば簡単です。


 今はこの世にいない、私の祖母は、“すばらしい”と言う言葉を“すごく”の代

わりに使っていました。だから、会話の中にたくさん出てきました。“すばらしく時

間がかった”“すばらしくお金が要る”“すばらしくとられた”という具合です。だか

ら否定の表現なのに、肯定のように聞こえます。そんな風だから、すべてが笑

い話に聞こえます。だから、長い話を聞かされていても、ちっとも嫌な気がしな

いのです。まさに“がばいばあちゃん”です。そして、いつ見たのかも忘れてしま

いましたが、“徹子の部屋”で、あるコメディアンの下積み時代の話を聞いたこ

とがあります。彼は、仕事がなくて工事現場をうろうろしていたら、現場監督に

声をかけられたそうです。「この一輪車をちょっと転がしてみないか?」と。土

砂を人力で運ぶ大きなシャベルのような形のものです。彼が言われた通りに

すると監督は、「10年、いや20年に1ぺんやろ。すばらし!」と、その一輪車の

動かし方をほめたそうです。彼はその監督の言葉にまんまと乗せられて、その

日から、結局6ヶ月その現場で働くことになったというのです。まさにペテン師

的すばらしきほめ言葉です。そういう私も、その言葉に乗せられています。「今

週のコラム、書けましたぁ~!」と、店長に報告すると、いつも一言「すばらしい

!」と店長は言います。そして毎週、「すばらしいよ、キムラさん!」「イラストも

かわいくて、すばらしい!」とほめます。だからといってホームページにUPする

手伝いをするわけでもなく、ただほめるだけの”すばらしき働かせ上手“です。


 “すばらしい”と相手を褒めると、自分が負けたような感情を持つのではない

かと考えるのは誤りだと私は思います。その反対に“すばらしい”と相手に言っ

た時点で、言った本人がもっとすばらしくなるのだと私は思っています。だから、

“すばらしい”という、相手を賛辞する表現はもっとたくさん使うべきだと思うので

す。”すばらしい”と口にしてみると、絶対笑顔にならざるを得ません。その時

の顔は、すごくいい表情になります。その瞬間、その会話はキラキラ輝いて、そし

ていつの間にか、たくさんのすばらしいお友達やお客さまができます。種明かし

をしてしまいますと、実は、こうして私は自分のお客さまを増やしています。


 こんな風に、”すばらしい“と相手に言葉を発すると、発した自分も素敵な気

分に、相手はもっと素敵な気分になって、すばらしい相乗効果がその会話全

体の空気を包みこみます。だから、”へぇ~“とか、”そうおぅ?“というレベルで

も勇気を出して、毎回”すばらしい!“と言ってみるんです。すると、きっと何か

が変わってくるはずです。


 スタッフのKが、「私の誕生日はマイケル・ジャクソンと一緒なんですよ!」と

言うと、「わ~、ほんと?すばらしい!」と私。「キムラさん、知ってますか?実

はね、がばいばあちゃんの主人公とキムラさんが敬愛する中谷君、そして私に

は共通点が1つあります。」「いったい何ですか?」「3人とも”アキヒロ“です」。

「すばらしいです、店長!」とこんな具合に。                    

 ほらね、簡単でしょ。                                



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また、来週の金曜日、お会いしましょう。 

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木村里紗子 Risaco

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