リサコ３０分クッキング第五回


デコレーションのポイント３









　　　　”目先を変える”とは、単純に物を見る角度を変えることともいえます。

　　　　ちょっと、失礼して、ふわふわのラグの上に寝そべってみましょう。

　　　　おや、まあ、こんな風に見えるものでございますね」



　　　　　　　　



　　　　　ここで料理人、何かに気づいたようで、起き上がると、カーテンの方に

　　　　　駆け寄り、また、調整をはじめましたね。



　　　　　　　　



　　　　　「カーテンをたらす位置をこのように、三角にとがったシェードの中心に

　　　　もってきますと、また、違ったイメージになりはしませんか？」



　　　　　　　　　　　　



　　　　　　 「はい、これで、ベッドルームソファ”マドモアゼル・ルージュ”は、

　　　　　きりっと引き締まった背景を手に入れましたね」

　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　「”物があるところに背景が存する”これは当然のことでございますが、

　　　　　物と背景が仲たがいしているケースも多々ありますね。皿とソースと

　　　　　メインの食材の関係に、インテリアの相互関係もほかなりません。

　　　　　まあ、人間と環境との関係といえるかも知れません」



　　　　　　　　　　


　　　　[そうこう申しておりますうちに、料理人の背景にはなにやら、そぐわない

　　　　物が..。そうです、はずしました、ソファカバーが散乱しておりますね。

　　　　これもインテリアの美しい背景を阻害するアイテムでございます」



　　　　　　　　　　　　



　　　　　「即刻、片付けましょう。そもそも料理人というものは、料理を作り、

　　　　それを供するのが目的ではありますが、その料理人の腕前は、

　　　　”あと片づけの美しさ”これにて、決定するものでもございます」



　　　　　　　　　　　



　　　　　　「たとえ、洗濯かご行きとはいえ、美しくたたまれるに越したことは

　　　　　ございません。洗い上がりにも大きな影響を及ぼしますゆえ、

　　　　　ここで手抜きはできません」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　「料理人の自宅も、ベッドリネン、カーテン、ソファカバーなどの

　　　　　ファブリックを替えることで、暖かな冬のしつらえになることを

　　　　　ご覧いただけたと存じます。では、いよいよクリスマスも間近に迫り、

　　　　　お部屋のディスプレイにも熱が入る季節となりまたので、ちょっとした

　　　　　スペースでも出来ます、クリスマスのデコレーションをご紹介いたし

　　　　　ましょう。

　　　　　　玄関のデコレーションでございます。フレームを貼っただけのシンプルな

　　　　　しつらえをもう少し、クスマスムードを漂わせようと狙っております」


　　　　　 　　　　　　　　　　



　　　　　　　「リースを手に入れ、リボン、両面テープをご用意くださいませ。

　　　　　　フレームの左右３箇所、等間隔に小さくきった両面テープを貼って

　　　　　　ゆきます」



　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　「そこに、このように、リボンをたるませながら、固定してゆきます。

　　　　　　　簡単ですね。左、右が左右対称のほうがよろしいでしょう」



　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　「ほとんど、３分足らずのデコレーションでございます。」



　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　「リボンの先端はこのようにくるくるを丸めて、バラのような形に

　　　　　　　いたしましょうか。これも規則ではございません。料理人が只今

　　　　　　　思いつきました、即興でございます」



　　　　　　　　　　　



　　　　　　　 「”即興”とはなんと魅惑の言葉でございましょう！その場にある

　　　　　　　材料で何とかおいしい料理を作る、料理の鉄人の好きな言葉では

　　　　　　　ございませんでしょうか？

　　　　　　　　「はい、終了でございます。こんな簡単なリボン使いでも、

　　　　　　　少しはクリスマスの気分が味わえるのございます」



　　　　　　　　　　　



　　　　　
　　　　　「普段なら、ここに花を飾り、フレームの中に納めたように見せかける

　　　　　”フェイクな遊び”をするところでございます。これも料理人がこよなく

　　　　　愛しますインテリアの遊びでございますが、本日は少々趣きを変え

　　　　　まして、キッチンにある材料でリゾート気分を演出しようとたくらんで

　　　　　おるのでございます」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　



　　　　　　　「まず、ちょっとしたお遊びの続きでございますね。この黒いボードは

　　　　　　玄関の棚になっております。”ビューティフルレッグ”と名づけました、

　　　　　　この美しきラインのおみ足に、ガーターベルトのリボン飾りを結びつけて

　　　　　　おります」




　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　「さてその上に、先日Ｓさまより頂戴いたしました、お庭のハーブを

　　　　　　キッチンから、少々持ってまいりましたので、このように、小さな花瓶に

　　　　　　挿してみましょう。料理人の玄関の壁は、天然の繊維を使ったもので

　　　　　　ございまして、ここに、花や緑を飾るときに美しく見える”背景”をと

　　　　　　選んだものでございます」



　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　「キャンドルも、ほやつきホルダーにいれて置いてみましょう。

　　　　　　　ほやつきキャンドルホルダーは、風の強い屋外はもちろん、

　　　　　　　このように壁紙を炎から保護しながら、壁際で使うためにも

　　　　　　　便利でございます」



　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　「照明を消して、キャンドルに点火してみましょう」


　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　「はい、すべてのキャンドルに点火しました」



　　　　　　　　　　　


　　　　　　「少し、フレームの中心が寂しいようでございますので、
　　　
　　　　　　先ほどの花瓶に挿した、葉っぱをかるくセロハンテープで固定して、
　　　
　　　　　　完成です」


　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　「手近な素材で作る、３０分クッキング、みなさま、楽しんでいただけ

　　　　　ましたでしょうか？”インテリア”も、つまるところ、即興でございます。




　　　　　　　　　　　　　



　　　　　「難しく考えず、心のおもむくままに、気取りを忘れて、美しさの

　　　　　導くままに、デコレーションを楽しんでいただけますことを

　　　　　料理人は切に願うところでございます。」









　　　　「では、また、来週金曜、この時間にお集まりいただけますように」




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



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