MadameWatson
マダム・ワトソン My Style Bed room Wear Interior Others Risacolumn News
HOME | 美しいテーブルウェア | 上質なベッドリネン&羽毛ふとん | インテリア、施工例 | スタイリッシュバス  | Y's for living
リサコラム
連載125回
本日のオードブル
あなた、空家の冒険は
お好き?


木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
道楽は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
17年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。
好きな作家は、夏目漱石、中谷彰宏、F・サガン、マルセル・プルースト


  「ようこそ、リサコ・ミステリアス・ベジバーへ!
  ”Today’s Special”は、”ミステリアスキャロット”で
  ございます。マドモワゼル、にんじんはお好き?」
 
       


あなた、空家の冒険はお好き?





    「料理人のわたくしは、フランス語学科の学生時代から相当な

    フランスかぶれでございました。しかし、高校時代から今も続く

    ”シャーロック・ホームズかぶれ”でもございます。卒論のテーマにまでした

    程のかぶれ具合で、シャーロック・ホームズクラブには20数年在籍し、

    近年やっと足を洗いました。そのため、男性はどんな人が好きか?と

    問われれば、「探偵」と答えます。次に生まれ変ったら何になりたいかと

    問われれば、「フランス人」と答えます。シャーロック・ホームズは架空の

    人物でございます。しかるに、今のイギリス人に質問したところ、過半数を

    裕に超える人々が実在の人物と答えたそうでございます。

    さらに中学時代は、”ナポレオンかぶれ”で、小学高学年は、”卑弥呼と

    邪馬台国かぶれ”でございました。

    ちょっとミステリアスな雰囲気を漂わすものにかぶれる傾向がございます

    ようで.....。



     



     この部屋のインテリアもその典型でございますね。時は1950年代後半

    パリの瀟洒なアパルトマンに住むインテリアデコレーターの寝室を模した

    そうでございます。この東南東の日が昇る寝室で、まだうすぼんやりした

    光がだんだん透明な白いあかりとなって、寝室全体をコンデンスミルクで

    で満たす時、聞くところによりますと、ここで熱いカフェ・オレをすする女が

    住むようでございます。



         



    では、その女のナイトテーブルをそっとのぞいてみましょうか。

    きっと女の正体がわかるやもしれませぬ。

    引き出しに見えない作りでございますが、実はここは隠し引き出しで

    ございますよ。ははは、シャーロック・ホームズかぶれの料理人の目は

    そうそう簡単にはごまかせません。



          



     おっと、フランス語が書かれた箱が潜んでおりました。

    これはもしや、女が職場の同僚のユカに、クリスマスプレゼントでもらった

    というものではございませんでしょうか?フランソワーズ・サガンの小説、

    『ブラームスはお好き』の中の一文とエッフェル塔が刺繍されておる

    ようでございます。女はこの寝室でその小説の原書を朝吹登美子氏訳を

    かたわらに”牛のよだれ”のようなスピードで読み続けておると聞いて

    おります。ただそれをしたいがためにしつらえた寝室のようでございます。

    ナイトテーブルの引き出しにぴったり納まっております。



          



    そんな酔狂な趣味を察してか、ユカは、『ブラームスはお好き』の中の

    一説をコード刺繍したカーテンに合わせてと考えて作ったようで、

    器用なユカらしい作品でございます。



        



    なるほど、箱の中には、原書と翻訳が2冊一緒に入っておりますね。

    これは、”かぶれ”冥利に尽きるセットでございましょう。

    それを、この箱からそろそろと出しまして、



a             



    きっと乳白色の光の中で読むのでございましょう。”牛のよだれ”と申し

    ましたが、この豊かな食生活の中でよだれを流すことはあまりありません

    が、乳白色の朝の光を待ちながら、白いテーラーのパジャマを着て眠る

    その女はきっとよだれをたれておることでございましょう。

    子供が一心不乱に何かで遊んでいるとき、よだれをたれるように、

    大人もよだれをたれる、夢中になれる何かが必要だと、先日の講演で

    中谷彰宏氏は言われておりました。

    よだれとは、幼い子供だけでなく、大人もどうどうとたれてもよいので

    ございますね。実際、コンサートに行って注意して見ておりますと

    指揮者、ギタリストは、よくよだれをたれているそうでございます。

    非日常の自分の世界に没頭しきっているのでございますね。


    さて、わたくしもよだれをたれる展開を心待ちに致しながら、

    じっと潜んで女の帰りを待つといたしましょう。

    さて、ミステリーの始まりでございますよ。

    どうかみなさま、くれぐれもお気をつけて。今日は長い長い夜と

    なりそうでございますから....。



           



    おっと、デジタルの時代は、時が経つのも早ようございます。

    もう、真夜中近くとなりました。どうやら、ミステリアスな空気が漂って

    参りました。しんと静まり返った廊下に今、明かりが灯りましたね。

    シャーロック・ホームズの『空き家の冒険』という痛快な事件を

    思わせるセッティングでございます。



          



    ぉ?髪の長い女がひとり、潜入.... 敵に間違いございません。

   あたりを伺っているようでございます。



               



    かばんを置いたようでございますね。もしや、ピストルを取り出そうかと

    いたしておるのではございませんでしょうか?みなさま、じっと息を潜めて

    成り行きを見守ろうではございませんか。


             




    おっと、敵は、シャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授のように

    すばしっこく、狡猾かもしれませぬ。すでに、もぬけの殻でございます。

    いったいどこにかくれたのでございましょうか?



            



     長い廊下に3つ、いえ、4つのドアです。一体、宿敵モリアーティ教授は

     どこに潜んでいるのでございましょう。もしや、あの突き当たりの、あの、

     ドア、ぅ~ん、ミステリアス!怪しげな事件のにおいが致しませんか?

     しかし、ここでひるんではなりませぬ。

     敵は必ずや4つのドアのどれかに潜んでいるに違いありません。

     では、勇気を出して、一番突き当たりのドアを開けてみると致しましょう。



             



    ぼんやりと明かりが2つ。でも、もしや、これはワナかもしれません。

    相手は狡猾でございます。

    おっと、よだれをたれておる、読者さま、油断大敵でございますよ!

    ミステリアス館の怪は、お次の13日の金曜日まで、どうかごゆっくり

    推理していただけますように。








    ではまた来週金曜日、このお時間まで、どうかご機嫌よろしゅう....」




                                               Risaco







リサコラムに関する、ご意見、ご感想はこちらまで。                

mmm@madame-watson.com




* PAGE TOP *
Shop Information Privacy Policy Contact Us Copyright 2006 Madame MATSON All Rights Reserved.