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リサコラム
連載129回
本日のオードブル
クルーゾー探偵の冒険
4.

昼下がりの冒険

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
道楽は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
17年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。
好きな作家は、夏目漱石、中谷彰宏、F・サガン、マルセル・プルースト
      

 「ようこそ、わがクルーゾー探偵事務所へ!
  ユニオンジャックか、トリコロールか、赤いネクタイ、
  ブルーのジャケット、白いシャツ、どうかお見知りおきを!」

          「あれぇぇ、もう一人いるけどぉぉ~」
  
 
       


クルーゾー探偵の冒険4.


昼下がりの冒険





   「”昼下がりの情事”ならぬ、昼下がりの探偵。閑をもてあまし、昼下がりに

   昼寝をしておる探偵ほど、間抜けで不幸せな探偵はおりません。しかし、

   ”人あるところ、事件あり”、わが師、シャーロック・ホームズ先生の教えに

   忠実なるわたくしクルーゾーは、昼下がりにいびきなんぞをかいておる

   閑はございません。私立諮問探偵のパイオニア、つまりはコンサルタント

   探偵という仕事を、芸術の域にまで高めた師の教えどおり、このように、

   そう、日夜、仕事に励むわたくしは、"かの女"の留守に忍び込んだ

   次第でございます。



                    



   あなたさまもじっとわたくしの後について来てくださいまし。そう、こちらは

   かの女のいわゆる、クローゼット部屋でございます。然るに、かの女の

   日々の行動の不可思議は、ここから発せられておると私は見破ったので

   ございます。



       



   女は、このたんす部屋に一日の大半、こもりきっておることがあるとの情報を

   クルーゾー、入手いたしました。もしや、このクローゼットの扉の向こうに

   何か大きな秘密が隠されておるに違いございません。



       



    薄ぼんやりと、灯る光は、探偵ドラマにありがちな演出でございますが、

    これは、わが探偵をなりわいとするものにとりまして、非常に心躍る

    舞台設定でございます。



           



    師いわく、「最高の演技とは、役になりきることだ」と。


    さよう、探偵の変装術におきましても、その人間の役を演ずるだけでは

    秘密を暴くことなど到底できません。然るにどうしたらよいか、それに

    付きまして、師はこうもおっしゃっておられます。つまりある人間の犯罪を

    暴こうと思えば、その人間の知能レベルに自分を合わせ、それから、

    その人間のとる行動を順を追って考えるというものでございます。



          



   つまり、わたくしは今、”かの女”のクローゼット部屋に侵入し、かの女の知能

   にわたくしクルーゾーの頭のレベルを下げ、そして、その頭で女の奇怪なる

   行動を考えるものでございます。



            



     まずは、怪しげな扉を開けてみることにいたしましょう。しかるに、ここで

    簡単にあけるわけには行きませぬ。相手は狡猾でございますゆえ、十分

    なる注意が必要でございます。飛び出す絵本のごとく、中から女が飛び

    出すやも知れませんから。あなたさまもパソコンの前から離れてください

    まし。



                



    おっっと、機密書類でございましょうか?なにやら、束になったものが

    重なり合い、並んでおるようで...どれどれ、反対の扉も開けてみましょう。



           



    lこれは、いったい何でございましょう?ここでわたくし、クルーゾーは、

    女の頭になりきり、考えてみましょう。おおぉぉ、今、たった今、まさに、

    電光石火のごとくわたくしの頭に思い浮かびました。



          



    つまりは、これは、女がよだれをたらすための、しろものに違いござい

    ませぬ!女の習性に照らし合わせれば一目瞭然!女はベッドでよだれを

    たらすのを生涯の楽しみとしておるようでございます。ゆえによだれを

    たらすためのシーツやふとんカバーが大量に必要となる。このような推理

    を下しました!ははは、本日は冴えておりまする。



          



    おっと、棚の下には、隠し引き出しが....ここには、更なる秘密隠されて

    おるに違いございません。では、さっそく、引いてみましょう。



            



    う~ん、意外にずっしりと重く、これは、きっと武器弾薬が入っておるので

    はございませんでしょうか?勇気を持って引いてみましょう。



             



    これは、またまた、ひもで結んだ、よだれ用のシーツ類がたくさん

    ぎっしりと入っております。いったいこのような大量のシーツ類がなぜに

    必要なのでございましょう。



            



    わたくし、クルーゾーの黒手帳によりますると、女はこのクローゼットの

    中身を日々、あっちゃこっちゃと、入れ替えるのを常としておるとござい

    ます。しかも女は、このクローゼットを眺めながら、安楽椅子に座り、さらに

    は1杯のシャンペンをひとりゆっくりと味わうのを悦楽としておると、こう、

    注釈には書かれております。この不可解な行動の謎をわたくしは暴こうと

    するものでございます。



            



    おっと、女の足音が...これはいけません!さあ、急いで、あなたさまも

    机の下に身を潜めてくださいますように!



           



           



                              急いで!!!



           



    おっと、間に合いました.....うん?もしや、これは、そう、そう、雪女の足と

    わたくしをだました、女の足でございます。慎重に近寄っておるようで.....



           



   おお、蛇のような慎重さから、いきなり、豹のように、すばやい動作で

   つまり、これが豹変というものでございますね。



           



   いきなり問題の扉を開けました!



           



    ふ~ん、何かを探しておるようでございます。これは、もしや、今晩の

    よだれのもとを物色しておるのではございますまいか。女の目は、ほぼ

    中ほどの棚の中央に照準が合ったようでございます。



         



   なるほど、ひときわ目立つ、このラッピング、リボンがかけられております。

   おお、慎重な手つきで、今、それを女が取り出そうと致しております。



            



   女は、賞状のごとく、高く持ち上げ、眺めておりますが、はたして、これから

   どんな行動に出るのでございましょうか?



         



    うん?女は、これをうやうやしく安楽椅子の上に今、置きました。



          



    これはもしや、わたくしへのプレゼント?でございますまいか.....

    もしそうだとするならば、いよいよもって不可解なる行動でございます。

    これには、きっと隠された謎が秘められているに違いございません!   



        



    女がクローゼットを眺めながら、そこで時々1杯のシャンペンを味わう

    という安楽椅子。その上に大事に載せて、さらに女はこれをじっと眺める

    つもりのようでございます。一体、これは、何を、意味するので、ござい

    ましょうか?



       




                        「道楽よ、クルーゾーさん」



        



   なるほど、道楽でございますか!わたくといたしましたことが、またもや、

   すっかり、女にだまされてしまったようでございます。しかし、こんなことで

   負けるクルーゾーではございませね。仕返しに、一句。



                     「道楽と 思えば ガッテン リサコラム」




    ではまた、来週、13日の金曜日にこの貴賓席にて

    お待ち申し上げております。



                                               
                                       Risaco




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