MadameWatson
マダム・ワトソン My Style Bed room Wear Interior Others Risacolumn News
HOME | 美しいテーブルウェア | 上質なベッドリネン&羽毛ふとん | インテリア、施工例 | スタイリッシュバス  | Y's for living
リサコラム
連載130回
本日のオードブル
クルーゾー探偵の冒険
5.

たにわたりの怪

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに1990年より勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
道楽は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
17年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。
好きな作家は、夏目漱石、中谷彰宏、F・サガン、マルセル・プルースト
      

 「よぉぉ、お!謎の女は、ピンクのローブで、白昼堂々と

  登場致しました!!」

 「あれ、だあれぇ?竹馬に乗ってるの?古臭い技ねぇ」
    
 
       


クルーゾー探偵の冒険5.


たにわたりの怪




   「道楽とは、何ぞや?わたくしがこの問いに答えますならば、わが人生、

   まさに、探偵という生業(なりわい)そのものでございます。わが師、

   シャーロック・ホームズ先生は、”人生とは退屈から逃れるために日々も

   がいておるようなもの”とおっしゃいます。



           



   さよう、師は、その退屈なる人生から逃れるために、犯罪渦巻く世紀末

   ロンドンにおきまして、悪の掃除人のごとく、難事件の解決に身を投じて

   こられたのでございます。人生とは、退屈から逃れるためにもがいている

   ものであるならば、もがいておることがすなわち”生”でございます。

    あえて、もがきながら、人生を楽しんでおるのであれば、人生とは、

    すべて道楽のようなものではございませんでしょうか?時として”道楽”

    とは、他人様からは、ばかげて見えることのほうが多く、よって、

    仮にも道楽者を自認する者は、他人の道楽に寛容でなくては、

    なりませぬ。



       



    女の道楽は、このように、日々、ベッドでよだれを流して眠るためなら、

    どんなこともいとわないそうだと申しますから、やはり変った道楽者に

    わたくしの目にも映りますでございます。

    おや、道楽者は、いよいよ、次の道楽を始めたようでございます。



           



    ほお、重なるこの白いものを見ながら、すでに女はよだれをたらして

    おるに違いございません。食べ物でなくても、見るだけでよだれをたらす

    もの、すなわちそれが、その者にとりまして真の道楽でございましょう。



          



    道楽者は、アイロンを取り出しました!アイロンのかかったピロケースに

    さらにアイロンをかけるつもりでございましょうか?これぞ道楽者の

    道楽者たる条件でございます。



            



     わが黒手帳によれば、女は暇さえあれば、食べるも忘れ、真夜中に

    よだれを流しながら、アイロンをかけるといいます。なんとも不気味な

    光景ではございます。



                



    そのくらい、アイロンが好きであれば、クリーニング業を生業とすべきと

    思うのは、車好きのクリーニング店のおやじに、そんなに好きなら、なぜ、

    車会社で働こうと思わなかったのか?とか、車会社で働く、料理好きの

    男に、なぜ料理人を目指さぬのか?というに等しいことでございましょう。




           



   女がよだれを流しながら、アイロンをかけておる間に、わたくしは、ちょいと

   失敬して、女の部屋を探検してみようと思うのでございます。なに、気づく

   ことはございますまい。よだれを流しておるくらいでございますから、他の

   ことには、まったく無関心の境地でございます。



        



    おっと、これは、いったい何もので、ございましょう。なるほど、テレビの

    画面の前に陣取った、花、ガーベラでございますか?これも女の脅しの

    テクニックに違いございません。



            



    わたくしクルーゾーは、実はこのテレビボードなるものを怪しいとにらんで

    おります。この、スピーカーのアミのようなものも、テレビボードと一緒に

    塗装してもらったそうで、なかなか、女は悪知恵を働かせるようで

    ございますね。



             



    この、四角な飾りに見える、実はここ、引き出しに違いございません!

    では、そっと引いてみましょうか?きっと、ベッドリネンのごとく、ずっしりと

    中に詰まっておるはずでございます。あなたさまも引くのを手伝って頂け

    ますでしょうか.....



            


    おっと、軽々と引けましたようで....中には、リモコンが隠されております。

    これは予想外の展開でございます。隠し引き出しにリモコン、ならば、

    この細長い隙間はいったい何でございましょう??



        



   「世間という絡んだ糸の中には、犯罪という真っ赤な糸が混じっておる。

   それを解きほぐすのが、われわれ、探偵の役割である」つまり、絡んだ糸を

   わたくし、クルーゾーがすぐに、解きほぐしてお見せしましょう!



       



    ご覧あそばせ! このように、ランプがつきました。つまり、これは、

    リモコン用のスリットに違いございませぬ。これで女は、こっそり、ふたを

    開けずに、操作しておったのでございます。なに、初歩でございます。




            


    反対側の引き出しも開けてみましょう!



             


    おお、これは、あのイチローではございませんでしょうか!

    なるほど、ここまでは気づきませんでした。番組表も隠し入れておる

    ようでございます。



             



   なるほど、このようなしかけでございます。つまり、関連のものを寄せ

   集める手法でございますか。それでは、そろそろ女のアイロンも終わる

   ころでございましょう。



         



   なんと、女は、変ったアイロンの動きを見せながら、すばやく手を動かして

   おるようで。しばし、じっと観察してみることにいたしましょう。



         



         



         



        



   いきなり、これは、何が出てきたとお思いでございますか?

   それでは、種明かしを致しましょう。これは、女がアイロンを当てた

   ピロケースのフリル部分でございます。



        



    黒手帳によれば、この技を、「忍法 フリル立ち上げの技」と呼んでおる

    ようでございます。つまり、下のフリルがその技を使ったもので、

    上がまだ技を使っていないものでございます。 



       



    いきなり、これは、何かと、わが黒手帳を開きますと、女は、この”フリル”

    という、デザインの発祥をこのような植物の葉ではなかったかと検証して

    おるということでございます。なるほど、似ておりますね。この”たにわたり”

    という、植物を見た祖先は、このフリルという装飾を思いついたのでは

    ないかというのが、女の推理のようでございます。

    ええ、では、ここで、わたくし、クルーゾーが、お粗末なものをひとつ。

    フリルとかけて、

    「フリルとかけて、世の中のすべての営みとく」。はたしてそのこころは、



     



                           「どちらも波がございます」



        



    「では、クルーゾーさん、フリルとかけて、竹馬と解く」


                        こころは、「ピンと立つには、技がいる」




    ではまた、来週、金曜日にこの貴賓席にてお待ち申し上げております。



                                               
                                       Risaco




リサコラムに関する、ご意見、ご感想はこちらまで。                

mmm@madame-watson.com








* PAGE TOP *
Shop Information Privacy Policy Contact Us Copyright 2006 Madame MATSON All Rights Reserved.