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リサコラム
連載160回
本日のオードブル
リゾコの
ミステリアス紳士録
11

変な人の書いた、読んだら
損するコラム



木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
道楽は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
17年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。
好きな作家は夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、F・サガン、マルセル・プルースト
      
  
     「うさぎさん、おもちツイてるの?」

        「リゾコ、大変だよ。大男の足跡ツイてるよ!」  

            
 
      
  




変な人の書いた、読んだら損するコラム




行きつけのコンビニが閉まった。最近はコンビがなくなる現象が起きている。実

はわたしはそこのおばちゃんといい仲だったから、とても残念でならない。時々

抽選があると、必ず当たりが出た。いや、当たらずとも、当たった事にして、当たり

のジュースなんかをくれた。だからそのコンビに行くと、昔の駄菓子屋を思い出し

た。駄菓子屋には必ず、“クジ”があった。夏休み、友達と競いあいながら、駄菓

子屋でクジを引いたことがあった。クジが最後の2枚になった。まだ1等と2等が

出ていなかった。どちらに転んでも友達か私が1等か2等に決まっている。これ

は楽勝だとわくわくした。それぞれ1枚ずつ引いた。どちらもはずれた。「えっ、そ

んなことがあっていいのだろうか?何で当たらないのだろうか?これは何かの間

違いに違いない」。疑問符で狂いそうになっていたところで、おばちゃんは私と友

人にじゃんけんをさせて1等と2等の賞品をくれた。「でも、ちょっと待てよ。先に

1等か2等が出ていたら、子供だってクジを引かないに違いない」。そこで子供

ながら、やっと大人のずるさにやられたと思った。子供だって、1等のあたりのクジ

を引き当てた“あかつきに”1等の賞品が欲しいのに、最後にクジを引いた人間

が1等をもらえるシステムになっているなんて、それはクジじゃないじゃないか!

なんと言う理不尽なことだろう」、そう思った。そんな経験を経て、子供はクジを

引かなくなるのだろう。子供時代にいかに早く社会のシステムを知るかということ

は重要なことに違いない。クジのシステムさえ知らずに大人になると、きっとダメ

ージが大きい。『当たりました!』なんていうDMに、運のない自分にもやっと運

が向いてきたぞ、と騙されるかもしれない。しかし現実にはその運をつかんだ人

がいる以上、この世には、ツイている、ツイていないは必ずあるようである。さて

今宵はリゾコがそんなツイている紳士を紹介してくれるらしい。



             



 「こんにちは、リゾコでございます。クジなんてものに当たったためしはなく、“ツ

キ”なんて信じたこともなかったわたしですが、実はある本に出合ってから、“ツ

キ”とは、電波みたいなもので、受信したい人のところにはやってくるらしいことを

知りました。だから今日はそれを教えてくだった“ツキ”の神様に短い手紙を書い

てみようかと思うのです。“ツキ”の神様こと、斎藤一人さんは、ご存知ですね。

『銀座まるかん』の代表者、大社長と呼ばれ、ずっと長者番付の10位以内に入

っている方です。年間100億超も税金を納めておいでの、すごい方です。こんな

方のおかげもあり、多く人たちが幸せに暮らしていけるのだろうと思うと、人の世は

水車みたいに水というお金が回って初めて、みんなが幸せに暮らせるものなのだ

とつくづく感じます。“斎藤ひとり”さんは、そのおおきな水車を回している人の一

人です。




            


 「ひとりさん、ひとりさんの本に始めて触れたのは、こんなタイトルの本でした。

『変な人の書いた、買ったら損する本』。なんとあまのじゃくな人だろうと思いなが

らも買ってしまったのは、姑息(こそく)にも、長者番付1位と書いてあったからに

他なりません。今、1年間に7万冊以上もの新刊が出ているそうですね。そんな

中で『変な人の書いた、買ったら損する本』なんていうタイトルの本を見たとき、

魅惑の扉を開けるような感覚でした。『変な人』と堂々と名乗る人の本は、やはり

変な人が買うのか?変人が好きな人が買うのか?ならば、わたしはそのどちらで

もあるようであるから、買うべきであろう、なんて思ったものでした。その後、ひとり

さんの本をいろいろ読みました。ひとりさんはなんと中学までしか出られておられ

ない。しかも9人兄弟の9番目で、もうこれで最後にしたいという意味で、『一人』

さんと名付けられたとか。子供時代の成績もよくはなく、そんな方がいったいどう

したら100億も、今、わたしは10億以下を切り捨ててしまいましたが、税金を納

めるような人になられたのか。ご自分で奇跡が起きたのだといわれているとおり、

奇跡以外のものには思えませんでした。“奇跡”なんて言葉は「キリストの奇跡」

のようにしか使うことがなかったわたしは、生前のイエスがさまざまな奇跡を起こ

し、とうとう変な人という評判になって、ついには処刑されるに至ったことを思い

浮かべました。だから、めったやたらに、“奇跡”なんて言葉は使えるものではあ

りません。しかし、人は重い病気になったら、奇跡でも何でも信じたくなるもので

すし、奇跡の小さいものは“幸運”といわれ、さらに小さいものは、“ツキ”といわれ

ますね。車の運転をしていて、一度も赤信号にひっかからなかった時「今日はツ

イてる~」なんて言いますから “ツイてる最大限”の現象が奇跡なのだと捕らえ

れば、まんざら“奇跡”も魔術的なものでもない気がします。だから、ひとりさんが

『変な人が書いた驚くほどツイてる話』(三笠書房)で言われている、『自分はツ

イてるんだと言い続け、自分がなすべきことを一生懸命やる。すると、奇跡は絶

対に起きます』。なんて、断言されれば、なんだ、そんなものかと納得してしまい

ました。何といっても長者番付ですから。


           


 それでわたしという人間はツイているのか?と考えてみました。まず幸せな時

代の日本に生まれたことはツイています。東京ほど込み合っていない、便利な

小都会で、しかも空港までも、職場までも、車で15分以内の便利な場所に住ん

でいることはラッキーです。職場の仲間に嫌な人がひとりもいないのも、趣味が

仕事と合体していることもまさに幸運です。さらに、接客業をやっていて、顧客を

た~あくさん持たせていただいているなんて、孤独で人間嫌いな子供時代のわ

たしから見ればほぼ奇跡ですし、さらに4年半前に自分勝手に書いた原稿を出

版社に持ち込んだものが本になったことは奇跡に違いありません。さらにそれが

もう4刷目になりました。それは大いなる奇跡です。“ツイている”、“ラッキー”、“

幸運”、“奇跡”なんて、気づいていないだけで人はきっとたくさん奇跡を起こし

ているのかもしれません。だからもし、わたしが冤罪で刑務所に入って、誰一人

信じられなくなった時、きっと奇跡だけは信じるような気がします。その時、ひとり

さんの本を持って行こうと思っています。



             



 ひとりさんは、『苦労の扉を開けてはいけない、楽しい扉を開けなさい』と言わ

れ、苦労の扉を開けたら苦労が山のようにやってくるからと言われました。それ

はつまり、3、4日不在して郵便箱を開けようものなら、山のような“会社の苦労”

が雪崩のように降りて来るような感じですね。それを入れた方には悪いですけど

ほとんど廃品回収ゴミ行きです。また、NHKの受信料の個別徴収が終わりまし

たが、よくオートロックのドアのまえで、徴収員さんが門前払いされていました。あ

れは終わってよかったと思いました。それこそ、苦労の扉ですよね。個人のモラ

ルに任せるという説得の方法もあるのですから。苦労の扉を開けずに、“ツイてる

ツイてる”と呪文のようと唱えながら、楽を選ばず、好きな道を選ぶ。そして、雑

草がアスファルトを突き破るように、“じわっ~、じわっ~”と無限大の時間をか

けて好きなことをやる。そうすれば、奇跡が起きるのですよね。なぁんだ、そんな

ぁ、簡単なことではないですか!学者先生たちの難解なハウツー本や自己啓発

本をたくさん読んきて、いっぱい悩んで来たけれど、ひとりさんの¥514の奇跡

を起こす方法で、すっと気が楽になりました。ほんとうにありがとう存じます。今、

職場では、『ツイてる?』『ツイてますよ』が流行り言葉です。ショップのすぐ裏に

大規模マンションができて、遠くのお客さまがどんどん越してこられているのもツ

イてます。時々、『ハンコ“ツイ”てます』とか、『ため息“ツイ”てます』とかいう人も

いますけど。これからもひとりさんに“ツイ”て行きます」。




        


p.s.1

『本当にいいものだと思うから、一生懸命にその良さを話すことができるんです。

そうしたら、買ってくれなくてもかまわないんです。言いたいんだから』。

ひとりさん、ガッテンです。


        


p.s.2

『シンプル&ラグジュアリーに暮らす』という本になった約100ページの

原稿です。4年半前に作ったものです。


                                    Risaco


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