MadameWatson
マダム・ワトソン My Style Bed room Wear Interior Others Risacolumn
News
HOME | 美しいテーブルウェア | 上質なベッドリネン&羽毛ふとん | インテリア、施工例 | スタイリッシュバス  | Y's for living
リサコラム
連載810回
      本日のオードブル

マダム・シック

第16話

「カリフォルニアガールの
パリ日記」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家はロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




パリの
建物が
描かれた
カリフォルニア
ガールのパリ日記

カリ
フォ
ルニア
とパリ
大西洋を
挟んだ場所は
かなり違うようですね。
想像するにおもしろそうです。
どんな書き出しから始まるのでしょうか?


 


 第16話「カリフォルニアガールのパリ日記」



 「『ボンジュール!』『サヴァ?(元気?)』『ウィ?』

『ノン?』私がパリにやって来た時、自信を持って言える言葉が

この4つでした。それに、ダコー!(OK!)、サリュ!(じゃね!)

の2つが加わったくらいが半年パリで過ごした頃の私の日常フランス

語でした。」


            


  ジェニファーの本がいよいよ、出版されることになった。その

前書きはこんな書き出しから始まった。


            


 
「半年もいて、たったそれだけ?と思われるかもしれませんが、

実は、パリでは、外国人がネイティブみたいにフランス語をペラペ

ラしゃべる必要はないのかもしれません。もちろんしゃべれるに越し

たことはないのです。


            


 理由ですって?それはフランス人が超おしゃべりだってことです。

お店でもどこでも、いつも相手がどんどんしゃべってくるので、

それに対して、Oui、とかNonとか言っていれば、バゲットもエクレ

アも、野菜もお肉もお魚も、もちろん、チーズだって買えますし、道

を尋ねようものなら、一緒について行ってくれたり、建物の名前を聞

いたら歴史まで教えてくれたりと、まあ、おせっかいと言うのか、親

切というのか、おしゃべりというのかだから、市場でお買い物する

ときも、行きつけのカフェで一息つくときも、難しい動詞の活用をさ

せて四苦八苦しながら文章をしゃべる必要はありませんでした。そん

なお気楽な私のパリのお屋敷での生活がバトラーとメイドさんに囲ま

れて優雅に始まったのです。と、そんな書き出しから始めたかったの

ですが、それは全く違っていたのです。


            


 実情はバトラー兼メイド兼、留守番をしにパリの優雅な貴族のお屋

敷にやって来たのでした。それは、お屋敷のマダム・シックご家族が

南フランスの別荘に行かれている間も、いつも通り、お家の中をぴか

ぴかに磨き上げておき、いつ何時、ご家族が帰ってくることになって

も、スムーズに気持ちよく生活できるようにする役目だったのです。


            


 「え~、そんなの話が違うじゃん!」私は驚き、あ然としました。

私はこの貴族のお屋敷にホームステイに来ただけで、家事をしに来た

わけではないのに、だまされたとも思いました。毎日、朝の7時から

夕方5時までデニムの膝当てさえ擦り切らせて(元々、擦り切れてい

たのにアンヌがじゃがいものパッチワークをしてくれたの。ヴィンテ

ージなんだけどね。)床を磨き、脚立に乗って窓ガラスを磨き、カー

テンを掛け替え、リネン類を洗濯してアイロンをかけてと、そんなこ

んなで1日が終わりました。


            


 
私の指導教官はこのお屋敷のハウスキーピングのアンヌでした。

彼女は私にまず、『ハウスキーピング全書』という、リッツで働い

たハウスキーピング名人の方が書かれた本を私に渡されました。


            


 
アフリカからの移民だった彼女は劣悪な環境のアパルトマンで数年

過ごした後、アイロンひとつを持ってパリにやってきて、リッツのハ

ウスキーピングを30年勤め上げたツワモノです。私はそんなツワモ

ノハウスキーピングの方が書いた本を教科書にハウスキーピング、

アンヌの厳しい指導と監視の下、このお屋敷のハウスキーピングを任

されることになったというのが実情だったのです。


            


 最初の1か月は苦行の日々でした。アンヌが帰った後は、疲れ切っ

てバタンキュー、パリ見物どころか、もう、どこにも行く気力が残っ

ていなかったのです。だって、お屋敷での生活と私のこれまでのカリ

フォルニアでの生活を比べると、買い出しから始めて手間暇かけて作

るフランス料理とマクドナルドのハンバーガーくらいの違いがあった

のです。


             


 
お屋敷にはロボット掃除機も、最新の大きな洗濯機もなければ、

システムキッチンもなかったのです。さらに期待したジャグジーバス

も、その優雅なリビングには寝転がれる大きなソファ一つもなく、

アームチェアだけでした。さらに大型スクリーンのテレビどころか

花台になっている小さなブラウン管テレビ!そんなリビングでマダム

・シックのご家族は長年、何の疑問も抱かずに優雅に日々を過ごして

来たのです。


            


 
その旧式で張り詰めた貴族の邸宅にアイロンだってかけたことさえ

なかった私がハウスキーピングとしてやって来たのですから、面食ら

うのは当たり前です。まあ、言い訳としてはカリフォルニアの家にア

イロンらしきものがなかったとだけ言っておきます。


            


 
私は時にハウスキーピングのアンヌと衝突しながら、それでも辛抱

強く2か月のトレーニングを受けた後は、自分でも見違えるくらいに

ハウスキーピングのできるパリのマダムになっていたと思います。3

か月目からは週2回、1回とアンヌがチェックにきましたが、私はさ

ぼらず、メンテナンスを続けていたおかげで、屋敷の中をきちんとき

れいに保つことができていました。


            


 今振り返ってみると、遠出はできなかったものの、パリの路地散歩

や個人のお宅の秘密のバラの中庭を見させてもらったり、地元の人し

か知らないカフェやパティスリーをめぐったり、アンヌの家でフラン

スの家庭料理をごちそうになったりもして、ハウスキーピングの能力

を身につけた上にパリの住人の目線で日々を送ることができたのです。


            


 ただ、パリの人々は私に英語で話しかけてくれるので、私のフラン

ス語も期待した以上に上達はしなかったことが残念なところではあり

ますが。でも、もしも、パリに来なかったら、同じようなカウチ&ポ

テト生活を続けながら、ハウスキーピングって何?みたいなテレビ好

きで陽気なカリフォルニアガールのままでいたはずです。


            


 
私はこの本を大きなリビングに巨大スクリーンのテレビと巨大ソフ

ァがある生活が優雅な暮らしだと信じて疑わないあなたにこそ、体を

張って貴族のお屋敷を守り抜いたカリフォルニアガールの優雅でシビ

アなパリ日記、読んで頂けたら思います。」ジェニファーの本はこん

な前書きで始まった



   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは2021年より毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1
 ジェニファーの実際の本のタイトル、
『Lessen from Madame Chic』とは
内容がかなり違いますが、
おもしろいイントロだと思いませんか?
自画自賛です。(笑)



p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年4月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
    お申込はこちら→「Contact Us」                                     

                                       * PAGE TOP *
Shop Information Privacy Policy Contact Us Copyright 2006 Madame MATSON All Rights Reserved.