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リサコラム
連載855回
      本日のオードブル

カフェにて

第7回

「ゴミはゴミでも」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。



パリの
地図と
アートな絵
パリっぽい
レストランは
硬い木の椅子に
白いテーブルクロス
ベルベットのベンチェア
メニューにあるのは、
残さず食べてもらいたいので
お持ち帰りもOKだそうですよ。




 



第7回 「ゴミはゴミでも」




 人は、最も好きなものでも大嫌いになることがある。

それは人間であったり、ものであったり、そして街であったりする。

さて、今日の2人は何を嫌っているのだろうか?


            


「私ね
最近、ほんっとに、頭に来ていることがあるのよ」

「頭、きてるって、何に?」「ゴミよ、ゴミ取集よ、ひどくない?」

「ゴミ?うちのマンションなんてもっとひどいわよ。ゴミの収集日

以外にも適当に出す輩が要るんだから!それをカラスが荒らしても

掃除しようとしないんだよね。ゴミが落ちていても拾いろうともしな

いし。会社だって、ランチのゴミをゴミ箱に入れる、その入れ方が汚

い人、多いのよ。すると、ゴミ箱が汚れるじゃない。じゃあその人、

ゴミ箱を掃除するかって、そんな人絶対、掃除なんかしないでしょ」


            


「それ言うならうちの主人なんて、まともにゴミ出しだってできな

いわよ。朝、ゴミ持って行ってねって、玄関先に置いてあっても、

けろっと忘れてるんだから。目の前の道路の脇に出すだけさえできないのよ」

「それはもはや、忘れるというより、無視じゃないかしら。つい

でだから言わせてもらえばね、ゴミの捨て方、出し方、ゴミの処理の

仕方で、その人の人格って結構わかると思う」

「ほう、新たな見解ですね~賛成!」


            


「ゴミの捨て方や後始末がきれいな人か、そうじゃない人かって

ことは、つまり、仕事の仕方も私生活もきちんとしているか、だらし

ないかってことだと思う。きれいなところはみんなきれいにするけれ

ど、汚いものや場所は適当に扱うし、掃除もしなくなるから、ますま

す汚くなるでしょ、だから、後始末がきれいじゃない人の家はきれい

なわけないし、いい仕事だってできないと思う。ゴミだって、ゴミ箱

にきれいに入れていけば、ゴミ全体はきれいなものよ~。そこをわか

っているかどうかだと思う」


            


「なるほど。真なりだと思う。でも、仕方ないけれど、汚いもの

だから適当に扱うのって、人間の性でしょ。かわいい赤ちゃんがきれ

いなものの最高だとしたら、その赤ちゃんが年齢を重ねた老人は汚い

ものとして扱われるってことって多々あると思う」


            


「うん、わかる。それは見た目の判断もかなりあるわよね」


「私はね、それもこれもゴミをゴミとしてではなく、丁寧に今は

不要になった『もの』として扱う習慣をつけるべきだと思うのよ。

だって、キッチンのごみ箱に入る前は、ちゃんとした食材だったり、

料理だったりしたわけでしょ。こんなカフェだって食材のゴミ、わん

さと出るはずだけど、私は基本、食べ物は残さず全部、きれいに食べ

る主義よ」


            


「それは、わたしもよ」

「日本の残飯とか廃棄される食料1日分で、国民がまる1週間食べら

れるくらいだって聞いたことある」


「それはすごいね。でもね、まだ食べられる食品の廃棄ゴミは難問

よね、ゴミをゴミにしないようにするとか、きれいに分別する習慣の

ない先進国も多いでしょ。だからゴミが資源にならずに、ゴミが汚い

ものになるんだと思う」


            


「そこよ、私、言いたかったのは。話が脱線したけど、最近うんざ

りしているのは、パリのゴミ処理業で働いている人たちのストライキ

なのよ。街がゴミの山になっているのよ!カフェの前の道路に、2m

の高さまでごみが積み上がっているんだって、信じられる?ゴミが

ゴミを呼んで、家のゴミを捨てていく人もいるらしい。でも、シャン

ゼリゼ通りの高級店では違法なごみ処理業者に高額なお金払ってゴミ

を収集してもらっているらしいけど、果たして、そのゴミはどこに

行くのかな?」


            


「当然、ねずみも増えるよね、また新たな感染症が流行するなんて

ことにならないとも限らないでしょ?ひどいよね」


           


「ひどいと思うけど、ゴミ収集者の言い分だと、富裕層より、自分

たちは寿命が10年も短いから、年金が2年送らされると、働きなが

ら死んでゆくことになるって、そんな風に訴えているみたいよ。

元々、パリの街は汚いけど、ゴミのマナーは最悪だと思うよ。

あんなに美しい建物が守られているのにね」


            


「らしいね。でもね、『パリがすばらしい、

大好きって言うなら、ごみも、難民キャンプもてねずみも好きだ

って言えるなら、それでいいよ』ってSNSの書き込み読んだこと

ある。実際、パリは東京よりさらに問題を抱えているような気が

する。だって、空港からパリ市内に入るときに必ず通るのがシリア

人たち難民や路上生活者の掘っ立て小屋よ。そこを通らなきゃパリ

市に入れないから仕方ないんだけど、美しいだけのパリの街のイメ

ージだけではパリは語れないよ、汚い部分も同じくらいにあるんだ

よって、あれは彼らが外国人観光客に問題提起をしているんだろう

と思うね。まあ、それでね、ゴミ問題と難民問題って、ほぼ同じじ

ゃないのかなって、私思うのよ。だって、ニュース見てていつも思

うのは、難民はどこの先進国も難問でしょ。それは、彼らが汚れて

いて、匂うし、病気を抱えているかもしれないから、厄介なごゴミ

みたいに扱う国もあるでしょう。彼らがはるばるボートや歩きで命

からがら国境を越えて来て来たから汚れて、嫌な匂いもしてだろう

し、まずは生理的な拒絶感がそうさせるとは思うけど、ずぼらでお風

呂に入らなかったわけじゃなくて、入りたくても、入れなかっただけ

でしょ?私はね、ゴミの扱い方、ゴミはもともと何からできていたの

か、ゴミはほんとうに汚いものなのかっていうことをフランスは人々

に教育すべきだと思う。その上でゴミ同然に扱われている難民の人々

の扱いを考え直すべきだと思う。まあ、それもよその国のことだから

私がどうのこうの言っても仕方ないんだけどね、まあ、パリの大嫌い

な部分も含めて好きならそれであっぱれという意見は正しいと思う」


             


「でも、実は、そんな大嫌いな部分を差し引いても余りあるってと

ころが、実はパリの憎いところなんでしょ?」


            



「あら、分かった?」

「ええ、ゴミはゴミでもパリのゴミなら、愛せるんじゃないの?




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 フランス人にごみの捨て方教えたいと私もつくづく思います。



p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2023年3月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
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