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リサコラム
連載899回
      本日のオードブル

『宮殿ホテルの人々』

第3回

「パリ2024」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




ここはパリの宮殿

パラスと呼ばれる最高ランクのホテル

今日はパリ観光ガイドさんの

バトラーさんのお話しに

耳を傾けてみましょう。

パリ2024ですから!


 



第3回 「パリ2024」



 「レイディス&ジェントルメン、本日はリアル・パリガイド

お集まりいただき、誠にありがとうございます」ホテル専属のツアーガ

イドはラウンジでボードを高々と持ち上げると、アメリカ人観光客グル

ープを相手に流暢な英語で話し始めた。アメリカ人観光客たちは固唾を

飲んで次の言葉を待った。


            


 
「まずは自己紹介を兼ねて、私はみなさま方とはまるで違う境遇の下

に生まれまして、幾多の困難を経て、ようやくここパリに辿り着いた人

間でございます。そして、65歳でこのパラスのツアーガイドという職

を得るに至りました。まずは、私のような多くの移民がこのパリで必死

に働き、パリを支えていることをご想像頂けますと、さらに、パリに対

するご理解が深まるのではと思っております。それではこの先もずっと

私どもパラスのお客様であり続けて頂きたいとの願いを込めまして、

本日、リアルパリのご案内させていただきたいと存じます。



            


 
ご存じの通り、今年はパリ2024、パリ・オリンピック、パラリン

ピックの年でございます。世界中から普段にも増してたくさんの人々が

このパリにやってこられるでしょう。フランスにとっては国を挙げての

大イベントです。ですが、フランス人のアイデンティティとして、やり

方に反発する人もおります。あるいは全く無関心な人も。その中でかな

り多くのパリ人がこれに乗じてお金儲けを目論んでいることも事実でご

ざいます。


            


 パリの家賃はご存じのように高く、アパルトマンの広さは狭く、

平均30平米。アメリカのみなさまには想像もつかないようなうさぎ

小屋の暮らしでございます。ですので、もともとケチと言われるフランス

人はどうやったらこのオリンピックでお金儲けができるのかを必死で考

える人がいるのは当然のことでございます。まずは、自分のアパルトマ

ンを元手に儲けられるかもと考えるのです。自分の部屋と知らない他人の

部屋を交換してバカンスの費用を浮かそうと考える国民性を持っているの

ですから、他人にしばらく部屋を貸すなんて何の抵抗もない人が大勢いる

のです。その間、安いパリの郊外に住むか、田舎に遊びに行く、海外旅行

なんて言う人も多いと思います。30平米のアパルトマンの家賃は平均約

18万円ですが、それをパリ・オリンピックの期間は1泊18万円位でも

借り手がいるそうなのです。30倍です。こんなにおいしい話はございま

せんよね。


            


 フランス語に安いという言葉がございませんように、一般的にフランス人

はがめついし、プライドが高いと言われます。しかし、パリを威張って

も、エッフェル塔、凱旋門、ルーヴル、ノートルダム、その他、すべて

過去の遺産でございます。今の政府にはそんなものを建てる余裕はあり

ませんでしょう。フランス革命以降、ぶっ潰した王政、貴族、そしてナ

ポレオンのおかげだと言えます。


            


 
凱旋門に続く通りをシャンゼリゼと呼んで、その響きにうっとりする

外国人の方も多いと思いますが、その本来の意味は、シャンが畑、エリ

ゼはエリゼ宮の意味で、エリゼ宮の畑でございます。もとはエリゼ宮の

畑だったわけですね。それにイメージ優先のパリ以外の地域にはおしゃ

れでもなんでもない場所がたくさんあります。それは、メトロに乗って

ちょっと郊外に行けばすぐにわかります。東京にたくさんあるような古

びた平凡な建物で多くの人々が暮らしています。


            


 また、世界中の大都市にはどこにでもあるような副都心のようなビル群

のエリアもパリにはございます。そんな場所は観光ルートから外されて

おりますし、行かれる必要性もありません。つまり、フランスは自国の

イメージを含め世界遺産を武器にがめつく儲けることにかけては類まれ

な才能と運を持っていると言えます。


            


 ひとつ、観光名所の中で私を含め多く人が思う最大の失敗作はポンピ

ドゥー・センターだとは思います。メカニカルで、アートと言えばアー

ト、実は鉄工所のような奇妙な建物でございます。既にアウト・オブ・

ファッション、つまり、シャビ~シャビ~の風情を曝しております。

そこに来て、運よく、かどうか、ノートルダムが火災に遭い、多くの

市民が現場に駆けつけました。いち早くマクロン大統領も駆けつけ、

潤んだ瞳でノートルダムが崩れ落ちる瞬間を市民と共に見守り、悲嘆

にくれたのです。


            


 「ああ、かわいそうなパリ人!あれほどまでにノートルダムを愛し

ているね!」と、メディアを通して世界中の人々に思わせたのです。

それはもちろん正しい理解でございますが、悲嘆にくれた市民、国民

の感情を強調することを宣伝に利用したとも言えると思います。

「これで世界中から寄付金を集めよう!」とマクロン大統領は思った

と私は思います。フランスは常にお金の匂う方向へと転換を利かすこ

とに長けているのです。それで有り余るほどの寄付金が世界中から集

まったといいます。そこで大統領、ノートルダム再建のための大コン

ペを思いつき、建て替え案のデザインを世界中から募集いたしました

。空中庭園だの近未来的なものまで様々な面白い案が出されました。

しかし、結局はマクロン大統領の鶴の一声でコンペの結果は覆り、元

の通りに復元することになりました。作り方も創建当時と同じような

方法、材料を用いてです。いずれまた、燃えることでしょうけれどね。

世界遺産の街パリのアピールのためでございますからノートルダム

の再建のお披露目もオリンピックの目玉の一つなっているのです。


            


 コロナ渦中の開催だった東京オリンピックとは大違いに、コロナから

の解放感に満ちている2024年、オリンピック、パラリンピックを

成功に導くことで、フランスはまたガッポリと稼ぐことになりますで

しょう。そしてヨーロッパの中で、EUの中で最高のポジションを確固

たるものにということです。


            


 
国内におきましては、つい先ごろ、次期大統領にも目されている若干

34歳のガブリエル・アタル氏が首相に抜擢されました。年金問題の失敗

で総スカンを食ったマクロン政権の反転攻勢との思惑は見え見えでござい

ます。フランスはとにかく、過去の遺産を大事にしつつ、水をシャンパン

に変える手品師のようなものとご理解いただけますと、これから先の観光

もさらに楽しめるのではないか存じます。


            


 以上、パリとフランス人の悪口を散々申し上げましたが、自国や自国民

をけちょんけちょんにけなすのが、まさしくフランス人のフランス人たる

ところでございます。さらにがめつさ、機転を利かす、ものを安いと言わ

ない、自己主張をすることもお忘れなく。


           


 みなさま、それでは先に進みましょう!まずはイントロのご清聴ありが

とうございました





 



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。


p.s.1

 右を言えば左に行き、

自国民と自国をけなすのがアイデンティティ!



p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
「もの、こと、ほん」は下の写真から、2024年1月号です。



           


p
.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」

    の英語版です。

    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”

    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:

    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に

    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに

    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。

    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」

   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 







































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
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