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リサコラム
連載813回
      本日のオードブル

2CVと過ごした夜

第1話

「はじまりは終わりの
始まり」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家はロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




緑の林道を颯爽と行く
フレンチブルーの車
鼻歌が聞こえて
来そうな
ステキな
ドライブ
行く
先に
何が
待って
いるのか
まだひみつのようです。




 


 第1話 「はじまりは終わりの始まり」


 

 カーラジオから流れてくるZAZの歌声に合わせて私は鼻歌を歌って

いた。あたたかで、力強いハスキーボイス、私はそんな彼女の歌声

が好きだ。


            


 
私は車の窓を全開にして、「Oh,シャンゼリゼ~la,la,la,la,la~」

というサビの部分を目いっぱいの情感を込めて歌った。ここ2年なかな

か遠出もできなかったから、春の心地よい田舎道を走りながら歌を歌う

のも久しぶりで、私はフランスの田舎町をドライブしているようなお

おらかな気分で軽快に車を走らせた。


            


 
そう、私のこのショートトリップの相棒は、1990年、フランス

生まれ、ZAZよりちょうど10歳若い32歳だが、みんなはこの私の

相棒を2CVと呼ぶ。年齢でいえば、32歳だが、現役10年を人間の

65歳に置き換えて、6.5倍すれば208歳となる。なあんだ、廃

盤のフランス車かと言うなかれ!もちろん、エアコンなどはついてい

ない。それどころか、カップホルダーだってついてはいない。

だって、つい2011年にプジョーの新車にカップホルダーが付けら

れたと発表されたくらいだから、フランス車の独善にはすごいもの

がある。


           


 
まあ、そんな悪口はさておき、私は仕事で乗っているワゴン車か

ら、208歳の愛車にひとり乗り替えて、意気揚々と家を出た。目指す

目的地はまだ秘密にしておきたい。まあ、人里離れた場所と言えば

いいだろうか。ただ、ソロキャンプ場ではない。だいたいソロキャンプ

なんてやる人々はこんないつ壊れるかわからないような、と言われる

古いフランス車に乗ってキャンプなどしないものだ。キャンプと言え

ばテントも要れば、食事を作るための道具も要る。眠るための寝具

も、夏以外では暖を取るための暖房設備も必要だ。そんなこんな

この小さな車に詰め込んで走ることはできないし、そもそも、

2CVを愛する人間はキャンプには興味がないと私は思う。興味

と言えば、ただ、このヘンテコな形の車を転がすこと、当然だが、

渋滞する街中ではなく、高速道路でもなく、山道というわけでもな

く、この丸っこい顔でいて、平板なおしりの、奇妙言えば奇妙、

フランスぽいと言えばフランスぽいプロポーションを道行く人々に

見せびらかしながら、鼻歌交じりにのんびりひとり、ドライブを

楽しむためにあるのだから。


            


 
この車の誕生は1937年。その前年、時のシトロエンの社長、

ピエール・ブーランジェが出したなぞなぞから始まったのだ。その

なぞなぞというのは、「農夫ふたりがじゃがいも50kgかワイン

樽1個を積んで時速60kmで走ることができて、どんな悪道でも、

舌平目のムニエルのような極上の舌触りならぬ、乗り心地を与え、

さらには、耕した後の畑を走っても、かごに積んだたまごが一個たり

とも割れないような車とは何ぞや?」というものだった。


            


 それを受けて、天才技術者アンドレ・ルフェーブルが出した答え

が、この2CVなのだ。私は舌平目のムニエルに絹目のようなとろ

み感が絶妙なシャンパンソースをかけた方が好みだが、いずれにし

ても、この2CVの乗り心地が今の車と比較して、相当とは思えな

いが、当時は農夫でも運転できる操縦性のよさと実用性を兼ね備え

た車として画期的だったのだ。しかも、シルクハットの紳士が乗っ

ても頭がつっかえないようにと幌屋根がついていた。


            


 
私はその2CVの1台を1年前にやっと手に入れた。その車は数代前

までオーナーがわかっていて、その中には有名女優もいた。


            


 
今日、私はその愛車を念入りに洗車してワックスをかけ、中のシー

トもどこもかしこもピカピカに磨き上げた。そして、1年前から念入

りに計画し、準備を重ね、10年分の天気予報から割り出して、五月

晴の最高のお天気になる可能性80%という日に、2CVという愛し

い相棒とのデートを設定したのだった



   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1
 
 新しいストリーを始めました。
シトロエン2CV、かわいいスタイルが何と言っても
おフランスですね。
残念ながら私はオーナーではありません。


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年5月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
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