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リサコラム
連載835回
      本日のオードブル

私とフランス語と
インテリア

第1回

「アテネ・フランセへの道」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




街路樹の間から見える
派手な色の建物
紫にピンク
ここは
一体
どこかな?
もしかしたら
ちょっと変った人が
行くくらしい学校かしら?



 



第1回
「アテネ・フランセへの道




 
「かつて」から始めることになりますが、千代田線の新御茶ノ水駅

の出口を出て、JR山手線の御茶ノ水駅から合流した人たちで混み合う

雑多な通りを抜けたスクランブル交差点で左に折れ、本郷通りを古本

屋街の神保町方面に向かって歩くか、そのまままっすぐ駿河台に向か

って坂道を登るかのどちらのルートを取るかを毎回、逡巡していまし

た。すでに30年以上も前の話です。


            


 いずれにしても、行き着く先は駿河台を上り切ったてっぺんの場所

にあるアテネ・フランセというフランス語の専門学校です。この学校

に行く道がこの2通りだったのです。もちろん、アテネ・フランセは

今も同じ場所にあります。この坂道を初めて息を切らしながら登って

行ったとき、フランス語の、特に文法の難解さをこの坂道が表してい

るような気がしたものです。


            


 今、フランス語学習者が減っているとのことですが、それはよく

わかります。それと似ているのが、今、マニュアル車に乗る人、乗れ

る人がとても少なくなってことだと思います。難解なフランス語文

法はさしずめ、マニュアル車という感じでした。だから、今まで難

しいと思ってきた英語の文法がオートマ車に感じました。「ここで

動詞を活用させなくていいのかな?形容詞の性数一致をさせなくて

いいのかな?」は、「クラッチ踏まずに、ギアチェンジしていいの

かな?」という具合に思えるのです。ヨーロッパの言語はみなそう

ですが、まずは女性名詞、男性名詞があることで驚くのですが、

その先に、動詞の種類と活用がバラエティーに富んでいること、そし

て発音の難しさに舌を巻くのだと思います。スペイン語のRの巻き舌

の発音を私はできませんが、フランス語は水なしでうがいをする

練習で習得する「R」の独特な発音を出せるまでに時間がかかりま

す。しかし、このRの音が出せないと、フランス語っぽくならない

のです。フランス語が敬遠される理由のひとつが、このややこしい

文法や発音の違和感だろうと思います。


            


 今では、イギリスが離脱した後の、英語を母国語とする国がなく

なったEU圏内でも英語が公用語として使われるのですから、フラ

ンス語人気は下がる一方かもしれません。それでも以前は、フラン

ス人はフランス語に対するプライドが高いから英語で話しかけても

絶対に答えないなどと言われたのですが、今や、パリのホテルでは

普通に英語で話しかけられますし、街中でもほぼ英語が通じます。

英語が話せることはステイタスにもなっているようです。これは日

本でも言えることだと思います。



            


 4年前、フランスのメーカーからわざわざマダム・ワトソンに来

られたフランスの生地メーカーの営業の方がいらしてのですが、

当然、日本の営業の方のアテンドですが、私がフランス語で会話を

始めたのに対して、ずっと英語で答えられるので、「もしかした

ら、フランス語を話されないのでしょうか?」と聞いたほどでし

た。もちろん、笑いながら、フランス語で「話しますよ!」と言われました。



            



 話が脱線しましたが、私がフランス語学科に入学した時、フランス

語は大学だけの授業では追いつかない、あるいは身につかないから、

お茶の水にあるアテネ・フランセか、今は、アンスティチュ・フラン

セと呼ばれていますが、当時は水道橋にあり、日仏学院と呼ばれてい

た、そのどちらかに通わなければならないというのが、常識のように

なっていました。


            


 そこで同じ下宿の4年生の先輩に頼んで連れて行ってくれたのが、

アテネ・フランセだったのです。フランス語は高校3年生の時に初め

て触れたのですが、何しろ、課外活動だったため、担当の先生は地学

の先生で、毎回、カセットテープの教材を流すのみで、最初の“ボン

ジュール”から始まる挨拶の後は、「私のフランス語はかなり、さび

付いているから、質問はしないでくれ」なんて言われ、ほとんど教え

てはいただけませんでした。しかし、その時なんとなく、“フランス

語、好きかも”という気がして、そんな単純な理由で専攻をフランス

語にしました。


            


 私の行った大学は獨協大学という大学で、そのマイナーな名は知ら

ない人が多く、逆によく知る人は、「えっ?獨協でフランス語?あそ

こはドイツ語の学校じゃないの?」とよく言われました。知らない人

も多いその大学は埼玉県草加市にあります。駅は東武伊勢崎線の、

「獨協大学前〈草加松原〉」ですが、当時は松原団地という駅名でし

た。その団地は当時から老朽化していた感じもしましたが、今はさら

に老朽化が進み、松原団地という名称もなくなったようです。


            


 当時の松原団地駅を降りると、大学の正門まで一本道で、右手に

延々と続く団地が見ながら、ひたすら歩く感じでした。徒歩で7,

8分ほどもかかるため、授業に間に合わなさそうな学生はみんなタ

クシーの相乗りをしていました。今は駅もきれいになっているよう

ですが、当時は小さくて小汚いという印象でした。さらに千代田線

に乗り入れているのに、旧式の電車も時々走っていました。まさし

く田舎から走って来た電車のようでした。そんな電車が来たらパス

するという友人もいましたが、古い電車のためか、もちろん、田舎

感があるためか、2駅先は足立区なのに、近所の人たちは「東京に行

く」とか、「東京で買った服はやっぱりセンスがいいわね~」などと

話していました。駅前には通称、松原団地銀座など言われた通りもあ

りましたが、当然、ハイセンスには程遠く、だから、アテネ・フラン

セに通うことは、「フランスのエスプリを吸いに、センスのいい場所

に行く」ことも意味していました。


            


 そんなフランス語の専門学校、アテネ・フランセに、月、水、金、

土あるいは、火、木、土の週3回から4回、大学の授業が終わってか

ら、社会人になってからも2年間の計6年も1回も休まず通ったので

す。そのくらい、フランス語とアテネ・フランセにのめり込んでいま

した。


 友人が私の誕生日にアパートに来てくれた時でさえ、「ちょっとご

めんね、これからアテネに行くから…」と、料理を作って準備をして

いる友人二人を部屋に置き去りにして、2時間の授業に行っていたの

ですから、アテネ・フランセに狂っていたとしか言いようがありま

せん。


            


 そんなアテネ・フランセ時代を過ごして来た私のフランス語、

フランスとの付き合いはその頃に形成され、今に至ります。だか

ら、もしも自分の拙い半生を語ろうとするならばアテネ・フランセ

を語らずして、語れないのです




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 リサコラムで初めて明かされる!私とアテネ・フランセ!
こうご期待!


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年10月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
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