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リサコラム
連載838回
      本日のオードブル

私とフランス語と
インテリア

第4回

「パリ・惡の華」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。





パリ
まだ行った
ことはないけれど
夕暮れは美しいはず
交差点で
クラクションを
バンバン鳴らしながら
そこどけと先を行く車の
個人主義というのか
なんというのか
それもパリ
それもこれもフランス


 



第4回
「パリ・惡の華」




 
フランスと言えば、まずはパリ。次にエッフェル塔、ノートルダ

ム、ルーヴル美術館、セーヌ川、高級住宅地のあるサンジェルマン=

デ=プレ、学生の街、カルチェ・ラタン、そんな世界的共通語とも言

える建造物や地名が列記されます。2022年の今なら、2年後の

2024年のパリオリンピック、パラリンピックかもしれません。


            


 しかし私が大学2年生の頃、大学で教わったのはパリは花の都では

なく、悪の街だったのです。それは19世紀の詩人ボードレールが生

前に1冊だけ出版した有名な韻文詩『惡の華』の印象があまりに強か

ったからです。


            


 私の卒論の担当教員に選んだ先生の研究テーマが、ボードレール

でしたが、詩なら短い文章の連なりだから、やさしいかもしれないと

いう予測は大変な思い違いでした。その他にもフランスの詩を読む授

業は取ってはいましたが、フランス語の詩には大変苦しめられました。

それはきっと私だけではないと思います。


            


 問題の『惡の華』を簡単に述べるなどとは畏れ多いことです

が、『惡の華』のいくつかの詩は発禁処分を受け、さらにベルギー

では出版が認められなかったことからあらかた想像はつくと思いま

す。さらに詩人としてのボードレールは幼くして父親を亡くし、母

親の再婚によってエディプスコンプレックスをずっとひきずってい

たとも言われ、エリート養成校を中退した後、親の遺産を散財した

いわば、ダンディな放蕩息子だったようです。さらに貧乏な生活か

らは46歳で亡くなるまで続いたようです。そんな人が身近にいな

くても、映画などからお酒に溺れていた社交界の詩人、評論家とい

う姿はなんとなく想像はつきます。


             


 偉大な詩人、ボードレールが詩を通して退廃的なものを賛美しつつ

描いた世界は反逆的で、実に卑猥で、それが耽美的といわれる比喩、

隠喩に加え、韻文という詩の規則がさらに難解なものにしていまし

た。フランス語初心者の私が読解する、ましてや味わうレベルでは

到底ないと、当時も薄々、いや、確信を持って感じながらも、もし

かしたら、このわけのわからない世界、これがフランス的なのか、

フランス文学、フランス映画の難解さを理解するには、ボードレー

ルのこの詩を理解できなくてはいけないのかもしれない、理解でき

ないとしたら単に私の語学力、読解力のなさゆえで、隣の席の人は

うなずきながら聞いているのだから十分に理解できているのかもし

れないと、ひとり劣等感にさいなまれたものです。


            


 しかし、今思えば、そんな詩人の書いたものを真面目に受験の勉強

しかしてこなかった学生が容易に理解できるわけはないのです。毎週

その1時間半の長い長い時間で、フランスは、フランス文学は確か

に難解であると理解することできましたが、今、思えば、もっと普

通のフランスの観光案内的なものが読みたかった、知りたかったと

思います。


            


 社会人になってから同じアテネ・フランセの友人が面白いからと

勧めてくれた『ものぐさ精神分析』(岸田秀著)と言う精神分析学

の本の中のボードレールの下りを読んだ時、私の直観は正しかった

とほっとしました。「ボードレールを健全な精神を持った若者に

理解できるわけがない」とはっきりと書かれていたからです。

ああ、私は健全だったのか、よかった、わからなくてよかったと。


            


 当時、フランス語学科で観光案内みたいなものをやるのはアカ

デミックではないという大学の方針や風潮があったのかどうかはわ

かりませんが、私と同じ講義を受けていた学生たちが今でも

『惡の華』を愛読しているとは思えませんし、私もフランスやパリ

の話になっても『惡の華』のことを話したことは一度もありませ

ん。ボードレールでフランス語が嫌いになったり、諦めたくなった

人はかなりいるのではないかとも思います。一つ確信を持って言え

ることは、ボードレールは決してフランス語学習の入門者が学ぶよ

うなものではないということです。


            


 もちろん、フランスにも、パリにも旅行者向きの部分と、そこで

生活をしている人々だけが知る陰の部分が表裏一体となっているだ

ろうとことはわかります。しかしまずは汚い部分や嫌な部分を知る

ことからその国とそこで話されている言葉を学ぶべきなのか、あるい

は美しいもの、芸術や文化遺産に触れ、学ぶためにその国の言葉を学

んだ方がいいのかと問われたら、今しばらくは、後者だと答えたいと

思います。


            


 確か大学4年生の頃、自宅の書棚に誰が残していったかわからな

い、ボードレールの『惡の華』の日本語訳を見つけました。それは

1945年出版、終戦の年で、紙は粗悪なものでしたが、こんな時でも

こんな詩集を出版する書店があったことに私はとても驚きました。

さらに、私の家族のいったい誰がこんな本を読んでいたのか?本好

きだった叔父や叔母か、祖父だったかもしれない。そんな本を読む

ような雰囲気には思えなかったのですが、とにかく私はそれを発見

して以来、大事に保管しています。もしかしたらいつかこのボード

レールが理解できる時が来るのかもしれない。しかし今はまだ理解

したいとは思いません。


           


 それより、ややこしい文法や動詞の活用は覚えなくてはならない

けれど、高校生の時に何度も読み返したサガンの小説に出てくる

カフェが、劇場が残るあのパリを自由に歩くために、そして、

マルセル・プルーストの小説をいつか原文で読むために、さらに、

2016年に出版された1995年までフランス大統領を勤めた

ミッテラン元大統領の愛人、アンヌへ宛てた1218通の恋文、

『アンヌへの手紙』をパリの書店で買って、ホテルで読むために

フランス語を学び続けたい、フランスの何かと関わってゆきた

いと、そんなふうに思っています。


            


 フランス、パリ風のインテリアとして、エッフェル塔、

ルーヴル、オペラ座などをテーマに掲げると「ベタな」と少々

侮蔑的なニュアンスを込めて言われたりもしますが、今、私の寝室

には、そんな誰もが知っている非常にベタなフランス的デザインの

壁紙を貼り、それを毎日眺めながら、フランスと関わっています。




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 2020年1月のパリではルーブル美術館の
すぐ隣に泊まったのですが、ストライキで全く見れず。
それもフランス。


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年11月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
    お申込はこちら→「Contact Us」                                     

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