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リサコラム
連載840回
      本日のオードブル

私とフランス語と
インテリア

第6回

「フランス好き?嫌い?」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




パリの屋根の下
セーヌは流れる。
高層ビルばかり見る
生活に疲れたとき
パリの街は
中世に
タイム
スリップ
したような
不思議な感覚に陥ります。
パリはこのまま愛おしい愚息
であり続けて欲しいと思います。


 



第6回
「フランス好き?嫌い?」




 
ランス語にはモノの価格が高い、安いの「安い」と言う言葉が

ありません。


            


 「このバケットは安いね」と言いたければ、「このバゲットは

高くないね」と高いを否定文で言わなくてはいけないのです。


            


 日本人の先生はその理由について、「フランス人は何でも高いと

思っているからじゃないかな?フランス人はケチだからね」と述べ

られていました。日本人の悪口は世界中でささやかれていることで

しょうが、同じくフランス人の悪口もたくさんささやかれているだ

ろうと思います。フランス人に対する悪口でよく耳にしたのは、ケチ

の他にフランス人は毎日はお風呂に入らない。だから、毎日、髪の毛

を洗わない。それは水がもったいないからという俗説と、いや、硬水

だから毎日洗うと髪の毛がバサバサになるからという意見もありま

す。


            


 それ以外におそらくフランス人の多くが認識している、フランス人

はプライドが高い。(確かにそうだとは思いますが、)そしてフランス

人は意地が悪い。だから、英語で質問したらわかっているのに答えな

い。今はずいぶん変っているだろうと思いますが、50年くらい前は

フランスから日本に帰るJALの機内ではパリで意地悪をされた日本人

の憤懣が爆発するのだと大学生の頃、ある作家のエッセイで読んだ

ことがありました。


            


 悪口で深刻なのは、特にパリやマルセイユはスリが多いということ

だと思います。しかし、大学3年生の時に、アルベール・カミュの

戯曲『カリギュラ』を読むという、フランス人の先生の講義を取っ

ていたのですが、「パリに行ったら必ずスリに会うと言われるけれ

ど、私はパリでスリにあった事は1度もない。しかし東京で2度

スリにあった」と言われたのです。その先生は爆発したようなヘア

スタイルで、長身瘦躯、まさしくカリギュラそのもののような不思議

な雰囲気を湛えた先生でした。そしてよく「パリジャンですか?」

と聞かれ、「違う」と答えると残念な顔をされるのが気分がよくない

とも言われていました。パリジャンとはいわば、江戸っ子みたいな

感じで、生まれも育ちもパリでなくてはならないから、そんな人は

当然、数少ないのだそうです。


            


 治安の他に、旅行者にとっては、ホテルの部屋は狭い、古い、

エアコンがついていない、これには日本人はかなり驚くことだと

思いますが、エアコンのないホテル、ショップもいまだにあるよう

ですから、大半の家にはエアコンがないのは納得です。そのため異常

気象で高温が続くと亡くなる人が必ずいるという悲劇もあります。


             


 社会人1年生の時、それでも、憧れの遠い国、フランスに短期でも

留学したいと知人に相談した時、それならフランス通の知り合いのM

さんに事情を聞いたらいいと言われたので、その当時は携帯電話など

ない時代でしたから、わざわざ公衆電話でMさんにパリの実情を聞い

たことがありました。


             


 彼はフランスのライセンスものを売る日本のメーカーにいた方で

したが、彼の口から出てくる言葉は、フランス留学なんてやめて

おけ、フランスは車が汚い、街も汚くて、どこもかしこも不衛生

とにかくフランスの悪口ばかりなのです。私はわざわざ公衆電話で

1,000円以上使ってフランスの悪口を聞かされたのです。しかし、

そんな彼はまたフランスに行くと言っていましたから、どうして私

にはフランスには行くなと言いながら、その人はたびたびフランス

に行くのだろうか?と全く腑に落ちませんでした。


            


 そんな風に学生の頃からずっと今まで、フランス人のいいとこ

ろより悪口ばかりを聞いた気がします。しかし、アテネ・フラン

セや大学のフランス人の先生たちを観察していて、ちょっとした

しぐさや、心遣いの仕方が日本人に似ているとずっと感じていま

した。もしかしたら、日本人と似通った精神構造があるのではな

いかと思っています。しかし、違うところももちろんあると思い

ます。フランスではショップや公共の場所など、次の人が入って

くるまで前の人はドアを押さえておかなければならないと言うマ

ナーが浸透していますが、日本で同じことをすると、次の人が非常

に恐縮するか、あるいはびっくりするか、あるいは知らん顔して

通過して行きます。レディーファーストというハイソサエティ的

慣習も女性の地位が高いからという意味ではないと思いますが、

日本にはまだ完全には浸透してはいないと感じます。さらにそれ

は女性の地位が低いから高めようという意識の現れとも取れます

から、微妙なところだと思います。


            


 女性の地位向上という意味では、2022年マクロン大統領が

再選され、エリザベッタ・ボルノさんという女性がマクロン大統

領を支える首相になりました。日本はもちろん、まだ首相を務め

た女性はいません。だからと言ってフランスの女性参政権が早い

かと言えば、日本と同じ1945年なのですから、この77年で日本

は男女格差の是正という面では確実にフランスに遅れをとっている

ようです。一方、今、コロナ渦で少し収まっていたストライキやデ

モがまた頻発していますから、国民が満足しているかと言えばそう

でもないのだろうと思います。


             


 今にして思えば、Mさんが言いたかったことは、自分はその国を

よく知っているよと言う意味ではないかと思います。プロトタイプ

としてのおしゃれなパリのイメージ、それから派生するフランスに

対する肯定的なメージでその国を捉えていたら痛い目にあうよと言

いたかったのだろうと思います。そして、彼はフランスをけなして

はいるものの、やっぱりフランスが好きなのだと思います。

だから、その国がよく見えていたのでしょう。自分のフランス、

自分のパリもあったはずです。


            


 私はずいぶん前から自分の終の棲家は日本がいいのか、フランス

がいいのかと考えていますが、元気であればフランスの田舎がよく

て、元気でなければ、日本がいいのかもと都合のいいことを思って

ますが、結論には至っていません。




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 一番、愛おしい息子を愚息と呼びますが、
悪口をいう人にとってフランスもパリも愚息のようなのかも
しれません。ただし、フランスは女性名詞ですから、
愚娘でしょうか?


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年11月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
    お申込はこちら→「Contact Us」                                     

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