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リサコラム
連載841回
      本日のオードブル

私とフランス語と
インテリア

第7回

「フランス人と関西人」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。



クリ
スマス
ツリーと
ライトアップ
されたエッフ
ェル塔を望む
バルコニーには
テーブルクロスの
かかった丸いテーブルと
シャンパンが用意されています
日本語ペラペラのフランス人と
関西人がやって来るようですが
さてどんな会話になるのでしょうか?



 



第7回
「フランス好き?嫌い?」




 「私、関西の女だから」と初対面の方にそう言われたことがあります。


            


 私はその瞬間、よく言われる気が強くて、饒舌な関西のおばちゃん

的なイメージと、目の前にいるブロンドで長身の美しい女性とのあま

りの相異に返す言葉もありませんでした。それは、パリのフォション

ホテルという女子好みの最先端ブティックホテルにチェックインした

時、ラウンジのそのフラン人の女性がにこやかに発した言葉だったの

です。


            


 
「ええっ…関西の女って言われても…」まさか、空港から直行した

パリの真ん中にあるホテルでこんなセリフを聞こうとは思いよりませ

んでした。このホテルにまで私を運んで来てくれた女性タクシードラ

イバーがあまりにつっけんどんな対応だったため、パリのタクシード

ライバーにもこんな人がいるのかとちょっとがっかりしつつ、ちょう

ど冷たい雨も降っていたため、陰気な雰囲気のままやって来たホテル

だったのですが、この女性の一言でまるで、日本の旅館かなにかでお

もてなしを受けたような晴れやか気分になりました。


            


 自称、「関西の女」は、明るく流暢な日本語で、神戸で過ごした2

年間の思い出を、おみこしを担いだことや、「○○神社は最高!」と

か、私も聞いたことのないような寺社仏閣の名前をどんどん挙げなが

ら延々としゃべり続けました。私があっけにとられて聞いていると、

「ダメダメ、今日はあなたの初日だから、口ならしのために、今から

はフランス語でしゃべります」と言われた時、ぐうの音も出ませんで

した。しかし、日本びいきのフランス語の先生のような彼女のパーソ

ナリティと和やかなムードですっかり、彼女との、いえ、関西の女と

の距離が縮まりました。おかげで、予約していた部屋より広いスイー

トにアップグレードしてもらえるというゴージャスなおまけまでつき

ました。それが、2020年1月半ばのメゾン&オブジェというイン

テリアの大きな展示会と、カーテン生地メーカーの展示会を兼ねたコ

ロナ前の最後のパリでした。


            


 知らない国に行くならその国の挨拶くらいは言えるようになってか

ら行けと言われますが、相手の国の言葉でがんばってしゃべろうとし

ている時、文法の間違いなどは全く気にならないし、それよりその努

力を感じて、より親密になれるものだと改めて感じた関西の女とフラ

ンス人にちょっと似たところがあるのかもと感じた出会いでした。


            


 私は子供の頃は引っ込み思案だったのですが、今では、すっかり、

初対面の方とも気軽に話をすることが日常となりました。内容はイン

テリアに関する話題に限らず、いえ、それより、お客様の病気やケ

ガ、親の介護、子供、孫の話、政治、社会問題から、どこに行った

、何を食べ、何を買ったなど、日常の些事に至る話題まで、膨大な個

人情報を日々、得ています。(笑)


 実は、最近、ご近所の美容師の方が50年に渡って続けて来られ

た美容室をたたまれたのですが、「私は美容師というよりよろず

相談窓口だったから(笑)」とおっしゃっておられました。

きっと私も、その「よろず相談窓口」に近いかもしれません。

相談と言っても、別に適切なアドヴァイスを差し上げるわけで

もなく、お話しを聞いているだけなのですが、

しかし、そのおかげで、国内はもちろん、海外に行っても知らない

人に話しかける度胸がつき、始めて行ったホテルでもレストランで

もスタッフとすぐに打ち解けることができるようになりました。


            


 そうは言ってもそのレベルは欧米人にはかないません。リゾート

系のホテルに行くと、元々暇を持て余してやって来ている雰囲気の

欧米人は若い給仕人を捕まえては長時間ペラペラと話をしている光

景に出くわします。その中でもフランス人は無類のおしゃべり好き

と言われます。フラン人が2人以上集まれば議論が始まります。冷

たい雨が足にかかるテラスの小さなカフェのテーブルでさえ、ガタ

ガタ震えながらも何をそんなにしゃべることがあるのか、コーヒー

やビール1杯で延々としゃべっています。


            


 私は毎日、フランスのラジオ局の『ラジオ・クラシック』を聴い

ているのですが、クラシック音楽の間にもトーク番組もあり、その

中では侃侃諤諤の議論を戦わせながら、毎日、数人がしゃべり続

けます。


            


 どうしてそんなに議論が好きなのか?私はそれに対してひとつの

答えを知っています。それは教育だと思います。高校生3年生は

大学入試センター試験のようなものを受けるのですが、それが大学

入学資格試験、「バカロレア」と言われています。通称「バック」

と言われるその試験には文系でも理系でも哲学の論文の試験があり

ます。ちなみに、2022年は「芸術活動は世界を変えるか?」

「正しいかどうかを決める役割を国家が担うのか?」「誰にも服

従しないことが自由なのか?」などなどが論文のテーマだったよ

うです。


            


 
15年くらい前にハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏

が『白熱教室』というNHKのテレビ番組の中で、世界でも屈指の

エリートたちと同じような哲学の議論を戦わせていました。しかし、

フランスでは普通の18歳が同じような質問に対する小論文を書か

なければならないのです。私にはとても書けそうにありませんが、

それまで彼らは客観的な視点に立って、自分の意見を論理的に述べ

る訓練をずっとさせられてきているのです。日本のマークシートの

試験とバカロレアの試験の違いはとりもなおさず、小、中、高校ま

での教育の方法の違いだと言えると思います。


            


 もしも、関西人に関するエッセイを読ませた上で、「フランス人

と関西人の似通ったところを哲学的視点から述べよ」などというテ

ーマが出されたら、彼ら高校生はどんな論文を書くでしょうか?

とても興味深いです




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 フランス人であり関西の女である彼女に
また会いたいです。
こんどはどんな話しが聞けるでしょうか?


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年12月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
    お申込はこちら→「Contact Us」                                     

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