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リサコラム
連載844回
      本日のオードブル

私とフランス語と
インテリア

第10回

「ささいな一言から」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。





バラの壁紙
天蓋カーテン
バラの刺繍の
ベッドスプレッド
2段ベッドスカート
最近めっきり少なくなった
ホテルのインテリアですね。
だから、お家に作るのですね。



 



第10回
「ささいな一言から」




 ささいな一言が人生を動かすことがあります。ことに、人生の方向

を決める20代においては。


            


 フランス語学科の3年生の頃、ゼミの先生がゼミの学生数人をフラ

ンス料理のお店に連れて行ってくれたことがありました。フランス料

理と言っても学生のお財布に見合ったお店ですから、これがフランス

料理なのかな?と思うようなごくシンプルな料理でした。ただ、メニ

ューもフランス語のみ、さらにフランス語で案内されますから、フラ

ンス人のギャルソンに尋ねられると、みんな緊張して、定食の冷製か

温製オードブル、肉か魚かのメインディッシュをそれぞれ1品ずつ選

びました。


            


 そしてメインが終わって、さて、デザートを3つから選ぶとなった

時、まずは一人目の学生が何かのタルトを選びました。次の人は、同

じものをという意味の、フランス語で、“モア、オッシ”

 (“Moi, aussi.”)と言いました。すると、3番目の学生は、当時の

日本人的感覚では仲間外れになりたくないと言う気持ちもあったの

ではないかと思いますが、“モア、オッシ”と言い、また次の人も、

また次の人も“モア、オッシ”と言ったのです。私の前の5人が同じ

デザートを注文している状況で、私も、“モア、オッシ”と逃げるの

か、自分だけ別のものを注文するのかと私はみんなの注目を浴びま

した。私はと言えば、何を食べたいということより、同じものを注

文するのがなんとなく嫌な感じがして、別のものを注文しました。

すると先生が「ほう、フランス人ぽいね、フランス人はみんな違う

ものを注文するから」と、さらに、「フランス人ほど個性を主張す

る国民はいないからね」というふうに言われたのです。個性を重視

する国民性、なるほど、私はもしかしたら、これかもしれないと、

その時思いました。


            


 私は幼い時から普通は嫌だと思っていましたし、成長するほどに

平凡なものを嫌うようになりました。案の定、私の周りの人たちから

はよく、嘲笑する感じで、「あなた、変わってるよね~」と言われて

いました。しかし私は、実は、変人と言われることに快感を持って受

け止めていました。


            


 憧れの変人の代表といえば、私の中では、女嫌いで生涯独身として

描かれるコンサルタント探偵シャーロック・ホームズがその人でし

た。さらに学生の頃は、ロングドレスが当たり前だった時代に男装

を趣味としたジョルジュ・サンドがまた憧れの変人に加わりまし

た。その世間の常識から逸脱したアウトロー的な生き方に魅力を感

じていました。


            


 自分だけが特別だと思いたい気持ちはすべての人にあると思いま

すが、そんな折りに言われた、「フランス人ぽいね」は、私の人生

に新たな光を与えてくれた一言、つまり、人生を動かす一言になっ

たのです。


            


 そしてそんな人生を動かす2番目の一言が意外な人からの一言で

した。それは中学生の女の子でした。


           


 私の家庭教師で得たアルバイト代の大半は本代とアテネ・フラン

セの授業料になっていましたが、あるとき、電車の中のつり広告を

見て、私は衝撃的を受けました。それは新高輪プリンスホテル夏の

プール付きのレディスプランの広告でした。4つか、5つのプール

の利用と朝食がセットになったものでした。私の唯一得意な運動が

水泳でしたから、いろんなプールで泳ぎ放題にとても魅力を感じた

のです。そして、すぐに電話予約しました。


            


 わくわくして行ってみると、そこはドアマンがいて、非常に広いエ

ントランスホールに通してくれました。そして学生の私をベルボーイ

が部屋まで案内してくれたのです。そのベルボーイがドアを開けた途

端、私はまさに電撃的なショックを受けたように、その部屋に魅了

されました。


            


 花柄のカーテンに、お揃いの花柄のベッドカバーがかかっていま

した。猫足のベージュ色のドレッサーのある窓からはなんとも美し

い庭と趣向凝らしたプールが見えました。さらに、お風呂の手前に

もパウダールームがあり、そこにはスツールが置いてあり、敷き込

みの絨毯でした。ダークのピンクのふかふかの絨毯だった記憶があ

ります。


            


 今のように海外の情報がいつでも容易に手に入る時代ではなかっ

たですが、テレビの映像や映画で、フランスのお家はどの家もきち

んと片付いていて、なんてきれいなんだろう!寝室には裾を引きず

るような長い花柄のカーテン、お揃いのベッドスプレッドが掛かっ

ているし、壁には素敵な絵がかかっているわ~と思っていました。

ベルサイユ宮殿やルーブル美術館があるパリにはもっと素敵な空間

ホテル、レストランがあるに違いないと言うのはまだ20そこそこ

の私でも容易に想像がつきましたが、その新高輪プリンスホテルの

部屋は、まさに、そんなフレンチなお部屋に見えたのです。


            


 そこで学生の私は3日間、昼間は目いっぱいプールで泳ぎ、夜は

本を読んで優雅な時間を過ごしました。それもこれも家庭教師と言

うアルバイトが与えてくれたものですが、私の興味は一気にヨーロ

ピアンなホテルに向きました。フランスの住まい=素敵なインテリ

ア、庶民の日本人がまだ達していないそのセンスある住まい、そん

な暮らしがしたいと思いました。


            


 そんなある日、家庭教師をやっていた近所の中学生の女の子が

私の1Kのアパートに遊びに来たことがありました。その時、彼女は

私の狭い1Kの部屋を見たとたん、「ホテルみたい!」と言ったので

す。ホテルみたいとはとてもいいがたい部屋でしたが、彼女は花柄の

ベットカバーをかけたベッド、ピンク色の無地のカーテン、そして

冬はこたつになるテーブル、机だけで他は何もない部屋を見てそう

感じたようです。


            


 人と同じであることを嫌い、個性的であることを重視し、ホテル

に住んでいるかのようなセンスある暮らしをしているフランス人の

イメージに非常な憧れを持っていましたから、「ホテルみたい!」

という中学生の女の子の一言は、「フランスのホテルみたいな部屋

に住む」という後々の私の人生の大きなキーワードとなる一言に

なったのです




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 ホテルが嫌いな女性はいないと
あるお客様から言われたことがありますが、
真なりだと思います。
ホテルの清潔感、生活感のなさ、そして美しインテリア
その総合を、女性は好きなのです。
そして、それを作るのが私の仕事です。


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2022年12月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
    お申込はこちら→「Contact Us」                                     

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