MadameWatson
マダム・ワトソン My Style Bed room Wear Interior Others Risacolumn
News
HOME | 美しいテーブルウェア | 上質なベッドリネン&羽毛ふとん | インテリア、施工例 | スタイリッシュバス  | Y's for living
リサコラム
連載849回
      本日のオードブル

カフェにて

第1回

「フラ子とリコ」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。



ここは
ちょっと
フレンチテイストの
カフェのようです
ブルーグリーンの
丸いテーブルに
女性が二人。
クロワッサンサンドに
カフェ・ラテに濃厚なココア
さらに、いちごのデザートも
おいしそうなランチです。
さて、二人はどんな話しを
しているのでしょうか?
早速聞いてみましょう





 



第1回
「フラ子とリコ」

 

 小春日和の2月、幼なじみの、まあ、仲良しということにしておき

まして、フラコとリオは、新しくできたカフェでランチのようです。

ちょっと耳を澄ませてみましょう。


           


 「フラ子、最近、どう?」


 
「コムシ、コムサ(comme si comme ça.)ってとこかな?」


 
「何?それ、コムシ、コムサって?ああ、服のこと?」


 
「違うよわ、コムシ、コムサって、まあまあってこと」


 
「へ~、まぁた、フランス語ね」



            


 
「もちろん、フランスびいきのフラ子としては、フランス語に決まっ

てるでしょ?」


 
「なんだ、コムサ・デ・モードのことかって思った。実はね、私、

今日は、コム・デ・ギャルソンなのよ!」



           


 「まあ、ステキ~ね。ストロベリーピンクのタートルなんて、コム

・デ・ギャルソン、作ってるんだ。でもね、リコ、言いにくいけど、」


 
「なに、なに?また何か余計なこと思いついたんでしょ?」


            


 「余計なじゃないけどさ、『コム・デ・ギャルソン』

Comme des Garçonsって、ちょっとヘンよね。もうずっと前

からそのぉ、思っていたけど、もちろん、ヘンって言うのは服のデザ

インじゃなくて、その言葉がね。『コム・デ・ギャルソン』は“少年

のような”と言う意味の造語だと思うけど、コム(comme) って、

英語のlikeと似ていて、みたいなっていう意味でしょ。だから、何何

みたいって言いたい時は、対象が確定しているイメージじゃない?だ

ったら、ギャルソンの前の複数形の冠詞は不定冠詞のdes ではなく

て、せめて定冠詞のlesであればいいのにと思うのよね。だから、

コム・レ・ギャルソンならまだ言葉として変じゃないけどね、でも、

コム・デ・ギャルソンはパリコレにも出ているのに、フランス人は

そんなブランド名をどんなふうに感じているのかな?」


            


 「反対にギャグぽくていいのいかも。でも何となく気持ち悪い感じ

もするかもね。私ね、日本語を勉強しているイタリア人の女性を知っ

てるんだけどね、彼女がボランティアのイベントをやった時に、彼女

が厚紙にマジックで大きく、「入口」って書いていたの。でも、なん

か変と思って、通り過ぎた後、振り返ってみたら、入が人になってい

て、人口になっていたのよ。まあ、ジンコウっては読めるけど、彼女

の意図はやっぱり入り口のつもりなのよ。だから、すぐに書き換えな

いとおかしいよって言ったら、なんで?って。どちっちもおんなじよ

うなものでしょ?って。大した違いはないから、そのままでいいんだ

って聞かないの」


            


 「それは笑っちゃうけど、でも、結構、ネイティブには気持ち悪い

言葉を私たちも平気でしゃべったり、書いたりしてるはずよね、考え

ると怖いな~」


            


 「でも、フラ子、そんなこと言ってたら、外国語なんて話せなくな

るよ、きっと。


 
プライドの高い人は外国語は上達しないっていうから、プライドは

かなぐり捨てて恥かくのは当たり前みたいに思わないとね」


 「まあね。内輪だけの小さな間違いは笑って済ませられるけど、

大きなミスはどうかしら?まあ、その国の数パーセントの人しかわか

らないようなことなら、堂々と間違ったままで通用するってこともあ

るからね。例えば、エスプリって言葉、最近聞かなくなったって思

わない?」


            


 
「流行ってないってこと?」



 「そこなのよ、流行っているとかいないっていう言葉じゃないの

よ。それこそ、グランモ(grands mots)」大きな言葉って言われ

るように、愛とか、死とかいう多義的な意味をもつ言葉で、時に大

げさな言葉になるので使い方は慎重にしないといけないってよく言

われる代表格がエスプリだって思う。わたしね、学生の時、あるフ

ランス人の先生が以前、「レスプリ・ド・パリ・レナウン」という

レナウンのCMのコピーの録音を依頼されて、やったそうなの。もう

ずいぶん前で知っている人はいないと思うけど。その時、夏休みだっ

たからフランス人はみんなバカンスでフランスかどっかに行っていた

らしくてその先生しかいなくて、そんな仕事が回って来たらしいんだ

けどね。それで、そのエスプリは前に定冠詞がついてレスプリになる

んだけど、レスプリ・ド・パリはさっき言った、入口と人口くらいに

おかしいらしいの。だって、エスプリは人間しか持たないものだか

ら、パリにはエスプリはないって、その先生は言っていたの。だか

らとても奇妙な気分で録音したそうよ」



            


 「なあるほど、エスプリって、なんとなく、精神とか、感性みたい

に思っていたけど、人間だけにしか使えないのね。それじゃ、フラ子

のエスプリは、その素敵なシャツとフランス国旗のカフスボタンにも

表れているって言えばいいのかな?」


 「ああ、これ、気づいてくれた?そう、お気に入りなのよ。白い

シャツも、カフスボタンも実は、コムサのなの」


            


 
「そう。コムサかねえ、コムサって言うと、さっき、コムシ、

コムサが、まあまあって教えてくれたけど、そんな意味じゃないよ

ね」


            


 
「ああ、もちろん違うわよ。コムサって、コムサ・デ・モード

(comme ça du mode)で日本のアパレルメーカーのハウスブラン

ドだから、パリコレには出てないわよ。でも、これも実は変なフラ

ンス語なのよ。コムサはこんなふうにっていう意味だけど、その後

du modeモードが来るともう、お手上げって感じがする。まあ、

コムサまで言っていれば、まだ大丈夫な感じするけどね。言葉にはな

っていないおかしなフランス語を広めた罪は大大きいよね」


 
「だって、フラ子、そんな服、愛用しているんだから、同罪じゃ

ないの?」


            


 「確かにそうかも。それに誰もそんなこと気にしないから流行るん

でしょうね。さぁて、この後、晩ご飯、ちょっと濃厚なチャイナ行

こうか?昼は軽いフレンチだったから。私、いいチャイナの店知って

いるのよ」


 「フラ子、濃厚なチャイナ行くって、英語だと、濃厚な中国に行く

ってことでしょ。日本でしか通じないよね」


 「たしかに、失礼いたしました





   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 今月から軽めの読み物シリーズを始めました。
と言ってもテーマはやっぱりフランス…でも
コムデギャルソンがストロベリーピンクのタートルを
作っているどうかはわかりません。
勝手な想像です。失礼いたしました。


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2023年2月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
    お申込はこちら→「Contact Us」                                     

                                       * PAGE TOP *
Shop Information Privacy Policy Contact Us Copyright 2006 Madame MATSON All Rights Reserved.