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リサコラム
連載851回
      本日のオードブル

カフェにて

第3回

「読書の森」

木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




赤と白のギンガムチェックの椅子に
ギンガムチェックのナプキン
なるほどかわいいカフェの
クロワッサンサンド
おいしそうです。
こんなカフェに
女性ふたり
会話が弾ま
ないわけは
ありません。
面白そうなので聞いてみますか?



 



第2回
「読書の森」

 

 今日もフレンチなカフェでは女性たちが世間話、いや、世界情勢に

ついて意見交換を行っているようです。それでは、その中の二人の会

話をさっそく立ち聞きしてみましょう。



            


 
「ねえ、今日は何か予定ある?これから、」


「予定はあるようでないけど、読書の森に行く予定はあるわよ」


「読書の森?そんなカフェ、あるの?」


「さあ、あるのかもね、カフェは世の中にごまんとあるんだから

そんな名前のカフェだってあるかもね。でも、カフェ巡りは今日は

やめとく。ちょっとは知的な時間も持ちたいから」


「ほう珍しいね、知的な時間ね~、つまりはノルウェーの森か、

コッツウォルズの森か、はたまた森遥子が、森鴎外か…はっはっは、

冗談よ」

            


「まずはこのクロワッサンサンドを食べてからね」

それじゃあ、その知的な時間の前に、靴買うのに付き合ってく

れない?」


「靴ぐらい自分で買えるでしょう。私は、読書の森に行くん

だから」


「その読書の森ってどこ?」


「それじゃ、まずは質問するけどね、私の叔父は、工学系の大学

出たけど、ずっと地下に潜っていたのよ。地下鉄掘るためにね。

あなた、そんな仕事したい?簡易トイレしかない場所でヘルメット

かぶるような建築現場で朝から晩まで働きたい?」


「そんなのできないに決まってるじゃない」


「そうでしょう。多くの女性はそんな3Kの環境って好きじゃない

のよね。汚れた場所や危険と隣り合わせな不安定な場所で働くのは

ね」


「まあ、人によると思うけど。もちろん、私はできないわよ。

でも、そんな女性もいるかもね。ウクライナの兵士の2割は女性だ

ってあなた言ってたしね



            


「何の話だっけ?」「え~忘れたの?ウクライナとロシアの戦争

の話で、マイケル・サンデルが女性の徴兵に賛成か反対かで議論し

てたとか」


「ああ、あなたはどう?カフェでカフェラテとクロワッサンサン

ド食べてるのと極寒の中で銃を構えているのとどっちがいい?」


「そりゃあ、わかり切っているでしょ」


            


「もちろん、私だって、カフェでクロワッサンがいいわよ」


「そうでしょう。女性の多くはそうよね。だからね、これも1

の男女差別になるとは思うんだけど、国のトップが女性でなくては

ならないという法律を作ったら戦争はなくなると思うのよね。過去

には戦争した女帝もいたけど、おそらくその人は男性だったんだと

思う。先進国のトップが全部女性だったら、平和な社会、そして平

和な世界ができると思うんだけどな」


            


「じゃぁ誰がそんな法律を作るの?」


「そんな法律を作りたいなら国会議員、州知事、県知事、市会議、

町議会、全部、女性が絶対多数をしめなくちゃならないでしょ?つま

りは女性がもっと政治の世界に登場しなきゃいけないってことじゃな

いかしら?それでやっと超党派で女性議員が集まって、社会は平和の

ほうに向かっていくということよ」


「おっしゃることはごもっともだと思うよ。だったらどうしてそん

なふうにならないのかしら?」


            


「そこがもう一つ難しいところよね。女性は、家庭や子育て、介護

なんていう場面で不利な立場にある状況はきっと昔からあまり変わっ

ていないからでしょ。でもね、男性より女性の方がはるかに掃除が

好きよ」


「なんでいきなり、掃除になるの?」


「つまり掃除をするっていうのは美しくなるってことでしょ。戦争

の爆撃で破壊された街や津波で流された街が復興するのって、ショベ

ルカーでがれきの山を崩すだけじゃあないでしょう。その後、汚れた

場所を掃除することから始まるのよね。戦争って、平和に至る過程だ

って言った人がいるんだけど、正論だと思う。つまり、めちゃくちゃ

で、汚れた状態の対局が平和であって、復興はそこに向かっているっ

てことでしょ?だから平和になるってことは掃除し終えた状態ってこ

となのよ、つまりは」


「ふ~ん、確かに、現実にはそうね」


「自分の家の前をみんなが掃除したら、世界は美しくなるって言っ

たのは誰だか知ってる?」


「さあ、知らないわ」


「マザー・テレサよ」


「ああ、そうなの、マザー・テレサね。でも、自分の家の前を掃除

するぐらいだったら、私なら自分の家の中を掃除するわね。そっちが

先決だと思う」


            


「そうでしょ。つまり部屋の中をきれいにした人が、次に自分の家

の外をきれいにするってことよ。自分の家が汚い状態の人が自分の家

の周りを掃除すると思う?」


「しないわね。それはわかる」


「だから、まずはもっともっと掃除の意義と大切さを教えるべきな

のよ、学校でね。もっと徹底的に日常の掃除をさせて、そういう環境

の中にいたら、子供たちは戦争でぐちゃぐちゃの状態にされたくない

し、したくないってわかると思う。だって、掃除は大変だけど、汚く

するのは簡単だから。戦争って結局は、散らかして、汚すってことだ

もの。それを訴えるのは女性が似合ってると思うのよ。まずは掃除好

きな女性をたくさん、政治の舞台に送るってこと。その内、先進国の

国家元首は女性がなるという慣習を作るのよ。立法が無理ならね。女

性の国家元首同士がわざわざ他国に侵略しようなんて思わないし、そ

んなことになる前にカフェで話し合いをするはずよ。美味しいクロワ

ッサンサンドとカフェ・クレームをいただきながら平和について語り

合えば、いいと思う」


            


「わかった。あなたの壮大な構想はもっとだし、正しいと思う。

それと、さっきの読書の森に行くって話はどうつながるの?」


「読書の森って、私の家ってこと。私の家は読書の森だって思って

いるのよ。なんで読書の森かっていうと、いつでも静かに楽しく

読書ができる環境ってことなの。清潔な森の中にある図書館のイメ―

ジよ。汚れた部屋ではいい読書なんてできないものなのよ。だから読

書の森は整然としていて、いつも清浄な空気が流れてなくちゃいけな

いの」


            


「じゃ、あなたの家、整然として清浄な空気が流れている環境っ

てことね?」


「そうじゃないから、カフェにいるんじゃない!」


「はあ?何それ?」


「ほら、いつもここのカフェに陣取っている人たちいるでしょ。延々

しゃべってて、なんでだと思う?」


「おしゃべりが好きだからでしょ?」


「私は違うと思うな。家に帰りたくないのよ。家に帰ったら掃除、

洗濯、片付け、それをしたくないから別のもっと楽なことをするんだ

と思うよ」


「そしたらさっきのあなたのカフェで平和を議論するって理論は成り

立つ?女性は掃除が好きだから、家の中をきれいして、外もきれいに

して、だから他国を汚さない、だから平和が維持されるっていうあな

たの理論なんかおかしくない?」


            


 「そんなことはないわよ。中には掃除が嫌いな女性もいるってこ

と。だから、教育が大事ってことなのよ」


「う~ん、わかる気もするけど」


「私だって読書の森を毎日夢見ているのよ。整然として美しく整った

部屋で読書をする、でも、その環境がずっと発展途上のままだって

ことなの。だから、今、こうしてカフェでなごんでいるってこと、

わかる?」


「わかるけど、私たちメビウスの輪の上をぐるぐる回っているだ

けでここから抜け出せない気もするんだけ…」


            


「それじゃ、クロワッサンも堪能したし、靴、買いに行こうか、

その後で発展途上の部屋をなんとかしに行くか!」「それなら、靴

はまた次回でもいいわよ。先にあなたの発展途上の部屋に行った

ほうがよさそうだから




   



上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。

   *リサコラムは毎週水曜日に連載いたします。

p.s.1

 マザー・テレサの言葉、ショップの周りの町内の掃除で
実践しています。


p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
 
 「もの、こと、ほん」は下の写真から、2023年2月号です。


           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
    の英語版です。
    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”
    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:
    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に
    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに
    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 



  バックナンバーの継続表示は終了いたしております。

  書籍化の予定のため、連載以外のページは見られなくなりました。

  どうかご了承くださいますように。













































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
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