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リサコラム
連載1002回
      本日のオードブル

『千夜と千日』

第3話

「千年藤の家」


木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンで400名以上の顧客を持つデザイナー。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書「シンプル&ラグジュアリーに暮らす」(ダイヤモンド社
紙の本&電子書籍)(2006年6月)
「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」
(電子書籍2014年8月)
道楽は、ベッドメイキング、掃除、アイロンがけなどの家事。
いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まる夢を見ること。
外国語を学ぶこと。そして下手な翻訳も。

20年来のベジタリアン。ただし、チーズとシャンパンは好き。
甘いものは少々苦手。
アマン系リゾートが好き。ただしお酒はぜんぜん強くない。
好きな作家は
ロビン・シャーマ、夏目漱石、遠藤周作、中谷彰宏、
F・サガン、
マルセル・プルースト、クリス・岡崎、千田琢哉、他たくさん。




大きな白い

ヘッドボードの後ろは

月夜の晩

大きな古木から

紫色の花がこぼれ落ちていくように

部屋の中に顔を出しています。

幻想的な

この部屋は何なの?






 



第3話 「千年藤の家」




 家を建てるのは子供の頃からの夢でしたが、定年退職する年齢に

なって、やっと子供の頃に住んでいた古家を建て替えました。

その建て替えは、構想30有余年の末でした。


            


 よく言われるように、家は3回建てないと思い通りの姿かたち、

機能性を有しないと思います。しかし、昨今、3回、家を建てるの

は、3回結婚するのと同じくらい、容易に運ぶものではありませ

ん。人によっては、3回結婚するほうが簡単と言われるかもしれ

ません。それならば、いっそ、最初で最後と覚悟を決めて、最高

にいい家を建てたいと思うものです。


            


 私は長年、雑誌記者としての仕事をしてきて、これまで多くの

お宅を訪れました。そこで得た知識、アイデアはデータとしてず

っと保存、蓄積してきました。もちろん、あら捜しもたくさんし

てきましたから、それらもまた、秘かに自分の家を作る上での貴

重なデータとして、頭の中、体の中に染み込ませてきました。


            


 さらに、世界50カ国以上を巡り、有名どころのホテルもリゾ

ートもヤクドクで訪れてきましたから、建築様式、内装、デザイ

ンの知識もそれなりにあると思っています。訪問先は南北アメリ

カ、北欧、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、そして、ポ

ルトガル、スペイン、フランス、ドイツ、ハンガリー、ポーラン

ド、エジプト、アフリカ各国、もちろん、オーストリア、イタリ

アの各都市には何十度足を運んだかしれません。雑誌記者という

職業を選択した最大の恩恵だと思います。


            


 しかし、SNSが登場して以来、見えない情報のワイヤーが地球

上をすっぽり覆ってしまい、現地取材も激減しましたし、国内も、

海外も世界遺産、名所旧跡も行ったことのない場所はないと言える

くらいにくまなく巡ってきましたから、渡り鳥の永住先として自分

の家に目を向けたとき、頭でっかちが邪魔して、ひとつに決められ

ないのです。


            


 まずは、外観からと考えた時、ヨーロッパ風の宮殿のようにとい

う魅惑の案も浮かびましたが、やり過ぎ感から、逆順に、ジャング

ルの奥地の原住民が住んでいるような掘っ立て小屋風までロマンチ

ックな簡素スタイルに落としてゆく間、キャンプ暮らし風のログハ

ウスとか、コンクリート打ちっぱなしの無機質な外観とか、負ける

建築の隈研吾さんのコンセプトで周りの景色に溶け込む外観にとか

、想像ばかりは果てしなく続きました。しかし、今の古い家のある

周囲を見れば、私が小学生までは田んぼと畑、裏山は妖怪ウォッチ

チングが最適な寂しい竹林だったのに、10年前までにすっかり別

人のように変り果て、妖怪竹林はマッチ箱をタテに並べたような家

が林立する、マッチ箱家林となってしまいました。すでに、宮殿風

も掘っ立て小屋風もログハウスもそぐわなくなっていました。最終

的には、人間のように、中身で勝負と強がって、その実、財布に優

しい、ごく普通の目立たない木造の家に落ち着きました。でも、そ

の内装は、誰かに見せたいわけでも、誰かを招きたいわけでもない

のですが、長年、地球上に足跡をつけてきた最後の入り口でありた

いと考えて、昔、この家の庭にあった一本の藤の古木をイメージし

て、そして、両親からもらった藤子という私の名にも敬意を表して

、知り合いの画家に頼んで、主寝室の壁の一面に藤を描いてもらい

ました。


            


 千年生きる古木もあるという不老長寿の藤から、薄紫の花がこぼ

れ落ちる先は、白いヘッドボードですから、そこにも藤の花を描き

入れてもらいました。さらに藤の絵で織った絨毯も作ってもらった

のです。


            


 すると、なんとしたことでしょう!そこで寝起きするうち、千年

藤からエネルギーをもらったのか、働いていた時よりさらに元気が

出るは、意欲が泉のように湧き出るはで、2軒目の家の構想もすぐ

に浮かんできて、早速、土地取得、建築に取り掛かりました。


           


 そして、千年藤の縁起をかついで、新築から住み始めてちょうど

千日目に1軒目の家を売りに出すと、翌日に2軒目の家に越しまし

た。すると、その翌日の1002日目1軒目の家が売れたのです。



            



 こうして、次々に趣向を変えた千夜千日の、『千年藤の家』を作

り続けるようになったという顛末です。今度の家が7軒目、七千夜

です。目標は万夜万日の、10軒です。


            


 私の今の感覚では、新しい家も千日も住めば、十分堪能した気分

に思えます。真新しいままで人様にお譲りして、またさらに生まれ

変わった気分で、新しい家に千日間だけ住み、その度、自分は生ま

れ変わる。そして、こんなおばあちゃんになって、輪廻転生を信じ

るようになりました。


            


 そんな私の年齢を遠まわしに、いえ、ずうずうしくも直接、間接

に尋ねられることがあるのですが、その度に、「千年藤よりちょっ

とだけ若いです」とお答えしております。





   




上のイラストから、「リサコラムの部屋」に入れます。



p.s.1



 千年藤は、平安貴族も、鎌倉武士も、殿様も庶民も

黒船来航も、明治維新も、戦争も地震もなんでも

知っているのですね。

 藤の花は美しいだけでなくすごいですね。



p.s. 2  インスタグラム、私の日常です。

  
「もの、こと、ほん」は下の写真から、2026年1月号へ。



           


p.s.3
    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」

    の英語版です。

    写真からアマゾンのサイトでご購入いただけます。


           


    タイトルは、"Bedroom, My Resort”

    Bedroom Designer’s Enchanting Resort Stories:

    Rezoko’s Guide for Fascinating Bedrooms


    趣味の英訳をしてたものを英語教師のTodd Sappington先生に

    チェックしていただき、Viv Studioの田村敦子さんに

    E-bookにしていただいたものです。
 
p.s.3
    下は日本語版です。

    E-Book「Bedroom, My Resort  リゾコのベッドルームガイド」

   どこでもドアをクリックして中身をちょっとご見学くださいますように。


                 







































































シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-
 
(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      Amazon、書店で販売しています。 なお、電子書籍もございます。

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて
  1,944円にてお届けいたします。
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。     
                           
    
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