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2017年6月1日~30日 私自身の好きなもの、こと、ほんを マダム・ワトソンをとおして、つれづれに語りたいと思います。木村リサコ 予告は変更の場合もございます。 写真、文章の無断転用はご遠慮くださいますようにお願い申し上げます。 下のロゴからウェブショップに飛びます。「もの、こと、ほん」からこのページで 紹介したアイテムをご覧いただけます。 本家、「リサコラム」は 2017年6月より土曜日の連載に変わりました。 6月10日(土)号から、新連載がはじまりました。 上のイラストからもご覧いただけます。
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リサコラム「もの、こと、ほん」バックナンバー集 2017年5月1日~31日 2017年4月1日~30日 2017年3月1日~31日 2017年2月1日~28日 2017年1月1日~31日 2016年12月1日~31日 2016年11月1日~30日 2016年10月1日~31日 2016年9月1日~30日 2016年8月1日~31日 2016年7月1日~31日 2016年6月1日~30日 2016年5月1日~31日 2016年4月1日~30日 2016年3月1日~31日 No.0484 2017年6月30日(金) ほん 「『値段』で読み解く魅惑のフランス近代絵画」 もうずいぶん前になりますが、 ゴッホのひまわりを厳重なガラス越しに見に行ったことがありました。 今の損保ジャパン日本興亜(安田火災海上)が史上最高価格で落札した数年後です。 その価格は1987年当時で58億円だったそうです。 その後、1990年に現日本製紙の名誉会長が 125億円でゴッホの『医師ガシュの肖像』を落札したそうですが、 当時は日本人が相次いでゴッホを買いあさったと話題になったことを 思い出しました。 そのゴッホのひまわりも、その後、15年後くらいになると、 額入りのポスターが出回り、 それをショップでも3万円くらいで販売していたことがありました。 しかし、市井でよく話題になるフランス絵画はやはり、 モディリアーニだと思います。 モディリアーニが病死したあと、妻のジャンヌが後追い自殺したために、 モディリアーニの絵は価値が倍増したそうですが、 その悲劇的な生涯は映画やドラマ化されて、今もさらに価格を上げているようです。 38歳のモディリアーニは病気療養を兼ねてニースに住む 大先輩である78歳のルノワールを訪ねたとき、 幸福の画家と呼ばれるルノアールとモディリアーニは話が合わなかったようです。 (しかし、その後、二人ともその1年以内に亡くなっています。) 幸福を描く作家に癒される人がいる一方で、 「孤独を描くことにより癒される孤独もまた世界には存在するのです」 という著者の言葉は、 今の世の中にルノアールよりモディリアーニが受け入れられる理由を 如実に表していると思います。 そして、マティスに関して、フィリップ・フックという作家は、 その著書の中で、 「もしも、マティスの女性がもっと口角を上げていたら、 絵の価値はもっと上がっていただろう」と指摘しているそうですが、 「口角を上げる」ことがよく話題に上る昨今、 今、マティスの人気が今ひとつなのは口角が理由なのかもしれません。 絵画をその画家の背景から読み解くのではなく、 その『価格』から近代絵画を読み解くという逆の読み方で さらに、現代の世相を読み解けるという、とても興味深いほんです。 高橋芳郎著 「『値段』で読み解く魅惑のフランス近代絵画」 |